2014 Fiscal Year Annual Research Report
水熱合成法によるメゾポーラス酸化チタンナノ結晶合成と高効率色素増感太陽電池作製
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14F03360
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
早川 泰弘 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (00115453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JAYARAM Archana 静岡大学, 電子工学研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 色素増感太陽電池 / 酸化チタン / メゾポーラスナノ結晶 / テンプレート / エチレングリコール / チタングリコール |
Outline of Annual Research Achievements |
テンプレートとしてエチレングリコールを用いて水熱合成法によりメゾポーラス構造のアナターゼ構造酸化チタン微粒子を作成した。チタンテトライソプロポキシド0.5 mLをエチレングリコール50 mLに加え、室温で5時間混合した。この溶液をアセトンとイオン水150 mLに加え、2時間攪拌することで懸濁液を得た。これをイオン水とエタノールに加え、遠心分離機で分離して凝縮物を得た。その後、80度で10時間乾燥させ、チタングリコール球を作成した。チタンテトライソプロポキシド濃度を1.0、 1.5、2.0 mLと変え、パラメータとした。イオン水とエタノールが1:1の液にチタングリコール球を分散した後オートクレーブに入れ、150度で12時間熱処理した。さらに、電気炉300度で2時間熱処理した。これを酸化チタンナノ結晶合成のためのテンプレートとして用いた。ナノ粒子の形状、サイズ、構造、吸収光特性、発光特性、電子状態を測定した。チタンテトライソプロポキシド0.5 mLの場合は、1.0、 1.5、2.0 mLの場合と比べ、結合の良いメゾポーラスナノ結晶が成長した。塗布法によりフッ化スズ基板上に酸化チタンを塗布し、N-719色素とD-205色素を用いて色素増感太陽電池を作製し、電流―電圧特性を測定した。N-719色素では開放電圧0.7V、短絡電流密度19.09 mA/cm2で変換効率8.96 %、D-205色素では、開放電圧0.67 V、短絡電流密度19.64 mA/cm2で変換効率9.02 %を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
テンプレートとしてエチレングリコールを用いる方法で、結合の良いメゾポーラス酸化チタンナノ結晶が作成した、さらにこれを光半導体電極として用いて色素増感太陽電池を作製した。N-719色素で8.96 %、D-205色素で9.02 %の変換効率を得た。研究はおおむね順調に進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
水熱合成法による酸化チタン粒子合成時に溶液に有機被膜剤を添加し、濃度、熱処理温度、熱処理時間がナノ粒子の形状、サイズ、構造、吸収光特性、発光特性、電子状態等に及ぼす効果を明らかにする。また、カーボン球を作成し、これをテンプレートとして用いることでメゾポーラス構造酸化チタン粒子を合成する。メゾポーラス構造酸化チタン粒子と市販のP25微粒子を積層することで光半導体電極の階層構造を形成し、光電変換効率に及ぼす効果を調べる。メゾポーラス構造酸化チタン粒子層の膜厚をパラメータとし、変換効率の向上を図る。
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Research Products
(8 results)