2015 Fiscal Year Annual Research Report
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14F03386
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
芦苅 基行 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 教授 (80324383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GAMUYAO RICO 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | イネ / 浮きイネ |
Outline of Annual Research Achievements |
浮きイネは茎葉を急速に伸長させることができるため、数メートルの深水、数ヶ月続く冠水状態を耐え抜くことができる。浮きイネは他の環境で栽培されるイネより収量は低いものの、長い雨季の間、農民が栽培できる唯一の作物である。本研究では、浮きイネの深水依存的な節間伸長の分子メカニズムの解明をめざした。
42の浮きイネ品種と27のインディカ品種を用いて浮きイネ反応性を調査し、GWAS解析を行った。結果、イネの第1染色体に浮きイネ反応性を説明するローカスが見いだされた。この周辺を詳細に調査したところ、浮きイネ性を示すこの領域が約312kb以下であることが明らかになった。この領域はこれまでのQTL解析で明らかになった浮きイネ反応性のQTL領域とオーバーラップしていた。この312kb領域内の遺伝子を探索したところ、GAの合成酵素であるGA20ox2遺伝子が含まれていた。また、GA20ox2プロモーター領域のSNP情報で系統樹解析を行ったところ、強い浮きイネ反応性を示した品種は同じクレードに集まった。これらの結果は、強い浮きイネ反応性を示す品種群は同じタイプのGA20ox2プロモーターを保持しており、GA20ox2遺伝子の発現が浮きイネ性に寄与している可能性を示唆した。
浮きイネ品種C9285と一般的なイネのT65品種を深水処理したところ、浮きイネ品種のGA20ox2遺伝子の発現の方がT65品種より高かった。これはGA20ox2遺伝子の発現に異なる転写制御があることを示している。これはおそらくGA20ox2遺伝子のプロモーター領域のDNA多型によるものだと考えられた。そこで、GA20ox2遺伝子プロモーター領域の3.4kbの塩基配列を決定したところ、多数の変異が見いだされた。続いて、浮きイネ品種C9285のプロモーターを含むGA20ox2遺伝子を準同質遺伝子系統に遺伝子導入し、深水処理したところ、深水依存的な節間伸長が誘導され、GA20ox2遺伝子が浮きイネの深水依存的な反応の原因遺伝子の1つであると結論した。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)