2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14F03902
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
朱 鴻民 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80713271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HOU Jungang 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 光触媒 / 電極 / 窒化タンタル / タンタル窒素酸化物 / 異質結合 / カーボンナノシート |
Outline of Annual Research Achievements |
可視光域で作動可能な光触媒、特に触媒電極を開発をした。26年度は主に光触媒材料の製作条件の確定、光触媒評価システムの構築、更に光触媒の創製と評価を行った。 光触媒材料はタンタルをベースにした窒化物(Ta3N4)と窒素酸化物(TaON)を中心におこなった。それらの窒化物および窒素酸化物の特徴は光で励起して発生した正孔のポテンシャルが酸素発生に必要な電位よりも高く、酸素を発生できることにある。それと同時に励起された電子の電位も水素発生に満足できる。しかし、現実に励起された表面電子が水素発生反応を起こすためには、ポテンシャルの他速度論的な原因でPt, Rh等で代表される貴金属の助触媒が必要である。その故、実際に励起した表面電子が反応にたどれず、正孔と結合して消滅するのがほとんどである。それを解決には励起された電子と正孔を分離し、離れた位置で水素と酸素の反応を起こすことが考えられる。その有効な手段は電極の形式で励起された電子を対電極に移す方法である。 26年度の研究は主に高効率のTaON光触媒電極を開発した。まず水熱反応を利用して、金属タンタルの上にTa2O5のナノロットを生成させ、それをアモニアにより窒化し、Ta/TaON電極を作った。そのうえ、励起電荷を有効に分離するため表面にCu2Oナノ粒子を析出しp-n異質結合を形成させた。更に、その表面に化学沈殿反応により、厚さ3nmぐらいのカーボンを形成させ、TaONおよびCuOの表面を覆う構造にした。 このようにして創製したTaON、Cu2O/TaONおよびC-Cu2O/TaON光触媒電極について可視光照射下の光電流を測定し、その性質を評価した。その結果、C-Cu2O/TaON光触媒電極では400nm波長の光照射下で、光/電気転換効率が59%にも達した。なお、このように作成した光触媒電極は長時間光照射下で安定であることも証明された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
全体的な研究目標は可視光域で応答できる高効率な光触媒電極の開発である。その内、一年目26年度の計画研究内容は触媒材料の測定システムの構築と電極の設計である。今までの達成度は計画より順調に進行している。すでにタンタル窒素酸化物(TaON)を中心とする電極の開発に成功し、優れた変更効率を示している。また、研究成果がすでに国際著名専門雑誌に投稿し、公表できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今までの研究で、電極表面の異質結合設計や表面保護などの工夫により、有効に電荷の分離ができた。また、光りの変換効率も400nmの可視光域で59%にも達し、安定性もよく、優れた性質を示した。しかし、これらの光電荷を有効に分離するには、現在のところ1V以上の分極が必要である。即ち、光りで励起された電子が電極表面から、電極内部に駆動するために余分なポテンシャルが必要である。それは水素を発生するため、更に1Vの電圧が必要であることを意味している。この1Vものバイアスは結局外部電源から提供しなければならない。それは全体のエネルギー交換効率の低下になる。 今後の研究重点はこのバイアス低下、もしくはノンバイアス下で稼働可能な光電極の開発である。その最大の課題は如何に電荷を表面から電極バルクに輸送するかにかかる。電極バルクから表面への中間層の設計が重要である。それを27年度の研究目標とする。
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Research Products
(3 results)