2014 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトナチュラルペプチドレパートリー解析による基盤的がん抗原探索
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14F03913
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 昇志 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50158937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KOCHIN Vitaly 札幌医科大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 腫瘍免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
CD8+T細胞(細胞傷害性T細胞、CTL)は癌細胞表面のMHCクラスI分子に提示される抗原ペプチドを認識し傷害する。従って、宿主のCTL誘導を主眼としたペプチドワクチン治療にはナチュラルな状態でがん細胞が提示するMHCクラスIペプチドを用いなくてはならない。我々はこれまでに、モノクローナル抗体による親和精製とRP-HPLCおよびマススペクトロメトリーを組み合わせた生化学的手法で日本人に最も頻度の高いHLA-A24分子に提示されるナチュラルペプチドを網羅的に解析する方法を樹立した。当該年度においては、同手法を用いて、約1.0x109個のヒト大腸癌細胞株SW480、Colo320、HCT115からそれぞれ103、102、118個の重複しないペプチド配列を解読することに成功した。これらは遺伝子導入といった人工操作のないがん細胞のHLA-A24に提示されるナチュラルペプチドのレパートリーであり、将来的な癌ペプチドワクチン候補を含んでいると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に基づき、HLA-A24を発現する3種類のヒト大腸癌細胞株SW480、Colo320、HCT115より抗HLA-A24抗体を用いたナチュラルペプチド群の抽出を行い、これらをマススペクトロメトリーにより配列解析した。その結果、約1.0x109個のヒト大腸癌細胞株SW480、Colo320、HCT115からそれぞれ103、102、118個の重複しないペプチド配列を解読することに成功した。これは研究計画通りの成果であり、順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に基づき、HLA-A24陽性な2つの肺癌細胞株(LHK2およびSq-1)からナチュラルペプチドを抽出し網羅的な配列解析を行う。さらに、これまでに同定したヒト大腸癌細胞株ペプチド群とともに、親遺伝子群の正常組織および癌組織における発現解析をRT-PCRにて行う。
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Research Products
(1 results)