2015 Fiscal Year Annual Research Report
半導体デバイスを応用した分析チップ用高解像度化学イメージングシステム
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14F04037
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉信 達夫 東北大学, 医工学研究科, 教授 (30243265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WERNER CARL FREDERIK 東北大学, 医工学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 化学センサ / LAPS / 化学イメージセンサ |
Outline of Annual Research Achievements |
微小流体デバイス等に組み込み可能なイオンセンサとして期待される light-addressable potentiometric sensor (LAPS) を用いた化学イメージングシステムにおいて、空間分解能を向上させる新しい原理の実証を行った。 従来のLAPSでは、半導体センサ基板上の光照射位置で発生したフォトキャリアが面内方向に拡散するために空間分解能が制限されていた。本研究で提案する方法では、単一パルス光照射後、電流波形を時間分解的に取得する。パルス照射後、光照射点を中心としてフォトキャリアの拡散が起こるため、初期の電流波形は照射点近傍のイオン濃度のみを反映したものとなることが期待される。 本年度は、半導体センサ基板に 200 nsのパルス光を照射して、サンプリング周波数 125 MHzで電流波形を記録できるシステムを完成させ、これを用いて空間分解能向上の原理実証実験を行った。パルス照射後、10μs後までの電流波形のみを用いてイメージングを行ったところ、従来に比べて空間分解能を約7.5倍向上させることができた。 さらにデバイスシミュレータを用いた計算においてもこの効果を確認することができたので、今後さまざまなパラメータをデバイスシミュレータ上で変化させることにより、空間分解能をさらに向上させるための指針を得ることができるものと期待される。 開発した新原理のイメージングシステムを微小流体デバイスに応用するため、半導体センサ基板上に微小流体デバイスを構築するリソグラフィプロセスを開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の最も重要な着眼点であった、新しい原理によるセンサ空間分解能の向上を実験およびシミュレーションによって実証できた。さらに、これを微小流体デバイスに適用する準備も整ったため、最終年度に所期の目的を達成できるものと期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
化学イメージングシステムの空間分解能をさらに向上させるため、デバイスシミュレータを用いて各種パラメータの最適化を行う。また、開発した高分解能システムを微小流体デバイス内の化学イメージングに応用し、その有用性を実証する。
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Research Products
(2 results)