2014 Fiscal Year Annual Research Report
カタツムリの交尾前隔離における雑種強勢・崩壊に関する化学生態学的研究
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14F04072
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
浅見 崇比呂 信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (10222598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHOVON Mohammad 信州大学, 理学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 雑種崩壊 / 雑種強勢 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、雌雄同体の有肺類(カタツムリ・ナメクジ)で初めて、交配前隔離の鍵となる性フェロモン分子の構造変異を同定し、当該分子の産生能と感受能の遺伝システムを検証することにある。これまでに揮発性物質の中に成熟個体に特有のものを複数検出し、近縁種間でそれらが異なることをガスクロマトグラフィー質量分析法により確証した。性フェロモン産生能と感受性における雑種崩壊と雑種強勢が生じるメカニズムを知るために雑種第一世代の成熟個体を対象として分泌物質の分析とバイオアッセイに必要な実験材料を整えつつある。エステル類に分類される化合物の二種が交尾器を露出させる点で交尾行動の誘発にかかわっている可能性を強く示唆する結果がこれまでの行動分析により得られている。これらの物質は揮発性においてたがいに大きく異なることから、生体表面に分泌されて他者の行動を励起するプロセスの差異を反映している可能性を今後検討する必要があることが示された。これらの化合物については、誘因活性を統計的に検証する必要がある。誘因活性と交尾行動誘発の活性とが互いに異なる物質に依存する可能性は否定できないが、これまでの先行研究にはこの問題を扱った例は皆無に等しい。これらの成果はしたがって、性フェロモンとしての機能をもつ分子を同定するにあたり、他者の誘因から求愛行動を経て、交尾行動を誘発する生物活性をそれぞれ正しく定量することが不可欠であることを教示する点で重要なである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画の候補物質の化学分析までを実施し、有肺類の近縁種間で揮発性の分泌物質が異なり、その差異を有機化学分析により明らかにしたから。
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Strategy for Future Research Activity |
雑種崩壊と雑種強勢をもたらす至近要因の追究に必要となる分析技術を開発する。
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