2014 Fiscal Year Annual Research Report
キッズデザインに対応するためのデータベースの設計及び応用
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14F04306
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
西田 佳史 独立行政法人産業技術総合研究所, デジタルヒューマン工学研究センター, 首席研究員 (60357712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG Kun 独立行政法人産業技術総合研究所, デジタルヒューマン工学研究センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 傷害情報 / 属性項目 / 記述枠組み / モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,社会的要請の高い乳幼児の傷害予防に応じるため,人類の共通財産ともいえる傷害ビッグデータを最大利用することによって子ども傷害予防対策の基盤となるキッズデザインデータベースの構築と傷害データマイニング技術に関する理論的基盤を確立することである.今年度は、キッズデザインデータベースに基づいて、傷害情報記述枠組みを中心に研究し、その成果を「傷害情報記述枠組みコーディングマニュアル」(IIDFコード試用版)としてまとめた。また、現在、これに基づいて傷害情報データベースの開発を進めた。 本マニュアルは,このうち既知の傷害情報の記述に関する枠組みについて解説するとともに,既存の各種傷害情報データバンクに収録されている傷害情報データを統一的な基準のもとで再構成するためのコーディングの基準を与えることを目的としている。WHOの定義によると,傷害の発生は身体が人間の耐える閾値を超えるエージェント(agent)に急激に曝露されたことによるもので,エージェントには,力学的エネルギー,熱,電気,化学物質,電離放射線などがある.傷害の発生には四つの要素があり,それぞれ,ホスト(host, 傷害を受けた人),エージェント,ベクター(Vector,例えば,力を加えたり,エネルギーを移し又は妨害したりする人或いは物),環境(Environment)と呼ばれる.WHOの疫学モデルは以上の4要素から構成されるが,事故対策の優先順位を決定するには傷害の程度など事故の結果が重要である.結果が致死事故であるか重大な傷害であるのか、軽いけがであるのかの相違は事故対策に相違をもたらす.本研究で作成した傷害情報記述枠組みコーディング方式では、様々なデータベース間でのこれらを項目を統一的に行う扱うこと可能とうするものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、現在入手可能な傷害データベースや事故のデータベースを情報源として,データの再編集を行うことで傷害情報DBを開発するために標準語彙集合を定義すること、また、これを用いて傷害情報DBを開発することを目標として掲げていた。上述の概要に示した通り、標準語集合を定義し、これを傷害情報記述枠組みコーディングマニュアルを取り纏めており、計画通り進行していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
製品の設計段階で,子どもの成長過程の特性やそれに伴う日常生活環境下のリスクを考慮可能にするツールとして,子どもの身体寸法・特性DB,行動心理・特性DB及び生活実態DBという三つの特色があるDBを作るため、これまでに公表されている子ども計測ハンドブックのデータや,研究室で独自に蓄積してきたお宅訪問調査・WEBアンケート調査データ(例えばお手伝い実態についてなど)・保育園,小学校管理者などへのヒアリング調査から得たデータを用いて分析する.この分析に基づいて,前年度に行った傷害情報DBを拡張させ,傷害情報の検索のみならず,子どもに対する行動心理などの社会的リスク要因の特定,製品の日常生活環境における使用実態の分析などを可能とするKDDBを開発する.また,KDDBのベースとなる,日常生活情報を標準化・正準化させるためのオントロジーを開発する。
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Research Products
(2 results)