2015 Fiscal Year Annual Research Report
生体活性分子の選択的補足を指向したインプリント型多孔性配位高分子の創製
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14F04339
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北川 進 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 教授 (20140303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CARNE ARNAU 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 多孔性金属錯体 / 一酸化炭素 / 生体ガス分子 / 光誘起反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
多孔性金属錯体(PCP/MOF)は、その本質的に内包するナノサイズの空間によりガス吸蔵・ガス分離への応用が期待されている新しい多孔性材料である。近年特に、その新しい応用としてナノサイズ空間への生理活性物質の吸着と放出を用いた、細胞生物学への応用が期待されている。特に、これまでは生理活性物質の中でも、イブプロフェンやカフェインなど有機系医薬品をターゲットとした研究が行われているが、一方で取扱の難しいガス状小分子である一酸化窒素や一酸化炭素の自在な吸着や放出に関した研究例は少ない。その理由としては、ガス状分子であるため室温、大気圧、生理学的条件下では、吸着・放出共に制御が非常に難しいことがあげられる。
本研究では、近年医学的応用が期待されてきている一酸化炭素の制御を目的に、予めPCP/MOF中にCOを化学的に結合させ大量の取り込みを達成し、その後、光刺激に応じて放出するシステムの構築を目指した。具体的には、PCP/MOFを構築する有機配位子の一つに、COを有する金属錯体配位子を用いて、COを細孔内に有するPCP/MOFを構築する。さらに、COと金属イオンとの間の配位結合を光照射により切断し、光誘起CO放出を達成する。これにより、多様な細胞種においてCOの役割を解明する新しいプラットフォーム材料になりうる。
今年度は、昨年度に達成した新しいCO放出可能なPCP/MOFに加え、細孔内に固定したCOを配位子として有する金属錯体のハロゲンイオンを変化させることで、感光性の制御に成功した。これにより、より長い波長におけるCO放出を達成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COを有する金属錯体配位子の合成、それを用いたPCP/MOFの合成に成功しており、計画は順調にすすんでいる。特に、今年度は金属錯体の種類(ハロゲンイオン)を変化させることで感光性の制御に成功しており、より長い波長においてCO放出可能であることを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は、COの光誘起放出挙動の固体状態での定量的解析方法の確立を行っている。
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Research Products
(2 results)