2015 Fiscal Year Annual Research Report
第一原理計算による複合ペロブスカイト酸化物材料の定量設計
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14F04376
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 功 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70183861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LEE JOOHWI 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | ペロブスカイト / 第一原理計算 / 電子構造 / バンドギャップ / 回帰手法 |
Outline of Annual Research Achievements |
カチオン混合ぺロブスカイト酸化物の第一原理計算による定量設計をめざし,主にATiO3 (A=Ba,Sr,Ca,Pb) /LaAlO3を対象とした研究を進めている.これまでにSrTiO¬3/LaAlO3およびCaTiO3/LaAlO3 ヘテロ界面について検討した.精確な原子配列,とくにTiO6八面体の傾角の電子構造への影響について的確に知ることは,これら物質の界面で生じることが期待される2次元電子ガス(2DEG)を設計するうえで不可欠である.これらの研究は,次世代の半導体デバイス開発という観点から,実用上極めて重要である. 上記のテーマと並行して,このような電子材料の設計に密度汎関数(DFT)計算を利用する際に常に問題となるバンドギャップ過小評価問題についても検討を進めている.一つの解決策として,機械学習の方法を適用して,DFT計算結果を補正する方法を開発した.具体的には,GW法という高精度であるがコストの高い第一原理計算によって得られるバンドギャップ値を目的変数として,通常に広く用いられているGGA法(PBE)ならびにmBJという汎関数を利用したDFT計算で得られたバンドギャップに加え,構成元素固有の予測子,たとえば電気陰性度や価電子数,さらにそれらの組み合わせを用い,適切な予測子の選択手法と回帰手法を比較検討した.その結果,有効な特性予測モデルを構築し,フィジカルレビューB誌に発表した.この手法は,今後,さまざまな半導体材料を仮想スクリーニングする際に重要な役割を持つと期待される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
受入研究室メンバーとの討論の中で生まれた新しいテーマにも極めて意欲的に取り組んでおり,大きな相乗効果が期待できる.
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Strategy for Future Research Activity |
さまざまな半導体材料を第一原理計算データベースに基づいて仮想スクリーニングすることに取り組む.
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Research Products
(4 results)