2014 Fiscal Year Annual Research Report
CO2地中貯留を想定した岩石層中のガス拡散予測に対する粒子トレーサ法の研究
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14F04379
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐々木 久郎 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60178639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WIDIATMOJO ARIF 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 資源開発 / 地下環境 / 多孔質層 / 数値シミュレーション / ラグランジュ法 / 拡散 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、多孔質層におけるガスおよび温度拡散係数を縮小スケールの実験装置によって測定し、その結果を予測するラグランジュ法を基礎とした数値シミュレーション手法であるDTPMを新たに開発し、多孔質層内部のガスおよび熱的拡散挙動を明らかにすることを目的として実施した。平成26年度の研究として、基本的な実験システムの構築とその数値モデリングを以下の項目を実施した。 1. 過去に発表されている研究成果のレビューを実施した。 2. 基本的な数値解析モデルの構築を目的として、アクリル板およびガラスビーズを用いた縮小スケールの多孔質層実験モデルを製作し、予備的な性能試験および実験を実施した。このとき、多孔質層内の速度ベクトルを予測するた数値シミュレーションを実施し、実験結果とのヒストリーマッチングを実施した。 3. 圧入坑井側からトレーサ成分を流入させ、生産井側においてその濃度-時間曲線を測定し、基本的な多孔質層内におけるトレーサの有効拡散係数の評価を行った。 4. 石炭層の酸化発熱過程の実験を実施し、酸素分子の平均自由行程などのデータに基づきガス拡散係数を算定し、多孔質体として定義した石炭層の発熱過程の予測モデルを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の研究では、実験装置の製作および実験の実施、さらに数値モデル化とDTPMによる数値シミュレーションまでの一連の初期的な研究を実施した。とくに、実験を実施するにあたり、トレーサ分子の多孔質貯留層内の有効拡散係数および温度拡散係数を測定するため、実験装置製作のための部材(アクリル板、アクリル管、ガラスビーズ、配管部品等)、濃度計、シース熱電対、加熱ヒータ、データデータロガーおよび純トレーサ成分の圧入部などで構成した実験システムと数値解析システムを構築できたことから、概ね当初予定した研究実施目的を達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度においては、26年度に製作した多孔質層モデルを改良し、不連続層および熱的な拡散現象を実験および数値解析により明らかにする。 1. 多孔質モデルに人工的な不連続層を組み入れ、その影響を考慮したDTPMによる数値解析を実施する。また、人工的な不連続層により、圧入されたトレーサ成分の有効拡散が受ける影響をについての数値シミュレーションを実施する。 2. 多孔質層に熱的な擾乱を与えたときの温度拡散を熱電対及びデータロガーを用いて測定し、熱的拡散係数を評価し、多孔質層内の温度分布に関するDTPMによる改良手法を開発し、その数値シミュレーションを実施する。 3. 2.の結果に基づき、石炭層の自然発火における堆積層のガス濃度および温度分布の予測に応用する。 4. 国内外の学会において研究成果を発表し、さらに国際ジャーナル論文として投稿する。
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Research Products
(3 results)