2014 Fiscal Year Annual Research Report
ニホンザルの社会構造の変異: 飼育群・餌付け群・野生群の比較
Project/Area Number |
14F04387
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
半谷 吾郎 京都大学, 霊長類研究所, 准教授 (40444492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHA John 京都大学, 霊長類研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | ニホンザル / 繁殖成功 / 採食成功 / 適応度 / エネルギー消費 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終的な目的は、食物条件が異なる環境下での比較を通じて、ニホンザルの食物資源をめぐる競合とその防衛に関する適応戦略を明らかにするとともに、それが適応度に与える影響を評価することである。メスの繁殖成功は、主に採食成功によって決まる。これまで蓄積されてきたニホンザルの採食生態学的な研究成果によって、採食成功のうち、食物(エネルギー、タンパク質)の摂取に関しては、定量的に明らかになっている。一方で、採食成功を決めるもうひとつの重要な要素である消費量に関しては、きわめて研究例が少ない。現状では、多くの研究で野生状態のエネルギー消費量は一律に基礎代謝の2倍と仮定して計算されている。実際には、個体の性、年齢、順位や、活動レベルによって基礎代謝の何倍になるのかは異なっていると予測され、この変異の程度を見積もることは、野生の霊長類の採食生態学の知見を繁殖成功の理解に結びつけるために重要である。そのため、酸素・水素二重標識水を用いたエネルギー消費量を、さまざまな飼育条件のニホンザルで明らかにすることを計画し、本年度はそのための情報収集、条件検討のための予備観察を京都大学霊長類研究所の野外放飼場に飼育されているニホンザルを対象にして行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
具体的な目標を設定し、そのために着実に準備を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、酸素・水素二重標識水を用いてエネルギー消費量を、実際に飼育ニホンザルを対象に測定し、活動レベルの違いがエネルギー消費量に与える影響を明らかにする。得られた結果を野生群での活動レベルと比較して、飼育・野生ニホンザルのエネルギー消費量を推定する。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Coming down from the trees: Is terrestrial activity in Bornean orangutans natural or disturbance driven?2014
Author(s)
Ancrenaz M, Sollmann R, Meijaard E, Hearn AJ, Ross J, Samejima H, Loken B, Cheyne SM, Stark DJ, Gardner PC, Goossens B, Mohamed A, Bohm T, Matsuda I, Nakabayashi M, Lee SK, Bernard H, Brodie J, Wich S, Fredriksson G, Hanya G, Harrison ME, Kanamori T, Kretzschmar P, Macdonald DW, Riger P, Spehar S, Ambu LN & Wilting A
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 4
Pages: 4024
DOI
Peer Reviewed
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