2015 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナにおける核型ポリA結合タンパク質を介した枝分かれの調節機構
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14F04391
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
今井 亮三 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門・遺伝子利用基盤研究領域, 主席研究員 (90291913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KATEROVA-LANDZHOVA ZORNITSA 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門・遺伝子利用基盤研究領域, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 分けつ / シロイヌナズナ / PolyA鎖 |
Outline of Annual Research Achievements |
AtPABN1によって制御される下流遺伝子を同定するため,マイクロアレイ解析を行った. AtPABN1過剰発現体と野生株において44kオリゴDNAマイクロアレイを用いて,発現変動遺伝子を網羅的に解析した.過剰発現により発現が低下していた遺伝子には,予想されていたSL生合成やシグナル伝達に関連するような遺伝子は見られなかった.過剰発現体において発現が上昇していた遺伝子について見てみると,いくつかの花成や光受容,光シグナルに関する遺伝子が上昇していた.LAF3(At3g55850),LHCB1.4(At2g34430),LHCA1(At3g54890),PKS4 (At5g04190),FBI1(At1g02340),LHCB1.5 (At2g34420)は,それぞれ発現が18.94倍,2.58倍,2.49倍,2.44倍,2.37倍,2.02倍上昇していた.また,PIF4(At2g43010),COL5 (At5g57660),PRR7(At5g02810),GI(At1g22770)は,それぞれ発現が2.41倍,2.31倍,2.20倍,2.06倍上昇していたが,これらの遺伝子は花成の制御に関与していることが知られている.また,AtPABN1過剰発現体では,環境ストレス耐性に関与している遺伝子の上昇も認められ,ASN1(At3g47340),KIN2(At5g15970),LEA7(At1g52690),ANAC019(At1g52890),RAB18(At5g66400),CYS2(At2g31980),RD29A(At5g52310)の発現はそれぞれ4.11倍,2.81倍,2.60倍,2.52倍,2.12倍2.09倍,2.12倍上昇していた.これらの結果からPABN1の過剰発現体が示す早期花成,ストレス耐性に関しては,関連遺伝子の発現上昇によって説明できることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一つ一つの研究の進行に遅れが見られる.技術的な困難さが影響している.また,想定とは異なる結果が得られている点も 進行を遅らせている.
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Strategy for Future Research Activity |
PABN1下流遺伝子における枝分かれに関与する遺伝子の特定はマイクロアレイ解析の結果からは特定が困難であった.今後は,spl4とPABN1の関係を中心に研究をシフトさせる必要がある.
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