2015 Fiscal Year Annual Research Report
福島の土壌における放射性セシウムの有機コロイドによる移動促進機構に関する研究
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14F04399
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西村 拓 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (40237730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DANG THUYET 東京大学, 農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 放射性セシウム / 有機物 / コロイド |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に採取した試料の分析から、土壌有機物含量が現地の土壌中の放射性Cs移動と相関が高いことを示した。一方、面的なばらつきの見地では、放射性Csの深さ方向の分布は非常に不均一であることがわかった。 前年度後半に分画・調整した有機物コロイドを遠心分離機、レーザー散乱粒径測定装置で分析を行い、ストークス則を適用して有機物コロイドの粒子密度を決定した。その結果、有機物コロイドは非常に小さな密度であり、比較的軽い有機物から構成されていることに加えて、スポンジのような多孔質であることが示唆された。 カラム実験を実施し、コロイドの安定性に影響する水質と土壌中の有機物コロイド、放射性セシウムの移動の関連を検討する実験を実施し、コロイド動態によって、土中のCs移動距離が異なる結果をえた。 Hydrus-1D、 COMSOLおよびRを用いて、有機物コロイドと放射性Csの移動を表現するコンピュータシミュレーションを試行し、statistical modelとsimple numerical modelのカップリングによって移動を再現できる可能性をえた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
実験の遂行と同時に数値モデルを複数試行し、モデル化の可能性まで検討することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
H28年度8月までの任期の間に、実験を継続してデータの収集に努めると共に、数値モデルの構築ならびに論文執筆を行う予定である。
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Research Products
(5 results)