2014 Fiscal Year Annual Research Report
海中林を形成する大型褐藻類が沿岸生態系の生物生産に与える影響の評価研究
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14F04717
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青木 優和 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (70251014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
POCKLINGTON Jacqueline 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | ホンダワラ科褐藻類 / 藻場 / 葉上動物 / 生物群集 / 野外操作実験 / 潜水調査 / オーストラリア / 国際情報交換 |
Outline of Annual Research Achievements |
宮城県の牡鹿半島西側に位置する石巻市狐崎浜において、潜水作業による野外操作実験と採集調査を開始した。ホンダワラ科褐藻類のうち形態の異なる種において、葉上動物群集の移入過程の違いを知るため、上部を切り離した株と対照区とで、下部葉への動物移入過程が異なるかを調べている。ホンダワラ類は春期から成長するため、まず1~3月の間に下調べ調査を行い、調査海域を決定した。4月に調査区において現場での実験操作を行い、マークで個体識別を行った海藻株について、まず初期サンプルの採集を行った。採集したサンプルは実験室に持ち帰り、葉上動物を海藻から落としたのちに選別し種同定と計数を行った。今後毎月1回の採集を継続して行く予定である。 本調査から、ホンダワラ科褐藻類の形態的特性特性が葉上動物に与える影響を明らかにすることができる見込みである。とくに下部葉の異なるフシスジモク・ヨレモク・アカモクにおいては葉上への動物の加入の過程に相違があるはずで、これは上部葉の存在の影響を受けるはずである。海藻形態の種間相違とそれぞれへの生物群集の移入過程が明らかになれば、藻場葉上動物群集の形成過程の一般的特性を解明できるはずである。 実験および定期採集調査はようやく軌道に乗ったところであり、次の1年間でまとまった成果が得られると見込まれている。まずは、7月のオーストラリアにおける国際学会で成果発表を行い、その後9月のイギリスでの国際学会でも関連する内容での発表を行う。研究成果については、随時雑誌論文へも公表を行う予定で、準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究対象とする海藻の成長期が春期であるため、Dr.Pocklington のオーストラリアからの来日後から冬季にかけては調査地の予備調査と生物相の予備チェックを行っていた。このために実験および定期採集調査が軌道に乗るのが遅くなった。しかし、4月の野外調査始動後は、研究は当初の予定から大きく外れることなく進展しており、今後1年間で一定のまとまった成果が得られる見込みとなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に大きな変更はない予定である。4月から本格的に調査を開始し、これから1年間で当初予定に沿った成果を得る予定である。常に調査を実施できる体制を整え、天候が静穏なタイミングを狙って、定期的調査を継続する。得られた成果は国内外の学会において3-4の成果発表をし、並行して雑誌論文への発表準備を進める。3-4編の国際誌への成果掲載を目指している。
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Research Products
(3 results)