2014 Fiscal Year Annual Research Report
リハビリテーション運動療法における臓器連関の機序解明
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14F04901
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上月 正博 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70234698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CAO Pengyu 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | リハビリテーション / 循環器・高血圧 / 腎臓 / ストレス / 細胞・組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
長期的運動は心血管・骨格筋機能改善作用や腎保護作用を有するが、その機序は明らかでない。一酸化窒素(NO)は、心血管・骨格筋・腎機能および血圧の調節において重要な役割を担っている。しかし、長期的運動の効果におけるNO産生系の役割は未だ十分明らかになっていない。長期的運動の効果の機序を明らかにするため、腎NO産生系へのEXとsuperoxide dismutase(SOD)類似薬tempolの併用効果を検討した。5週齢の雄性高血圧自然発症ラット(SHR)とWistar-Kyotoラット(WKY)をそれぞれ対照群、EX群、Tempol群、併用群に分け、EX群にはトッレドミル運動(速度20m/分、60分間/日)を実施、Tempol群にはtempol (1mmol/L)を飲水投与した。8週後、腎のNADPH oxidaseとSOD活性を測定、内皮型と神経型NO産生酵素 (eNOS, nNOS)発現をイムノブロット法で検討した。EXおよびtempolは、SHRでは血圧を低下、クレアチニンクリアランスを増加させ、その併用は相加効果を認めたが、WKYでは影響しなかった。EXは、両系ラットで血漿と尿中H2O2を増加、腎NOS発現を増加させたが、SHRでは腎NADPH oxidase活性を低下させた一方、WKYでは増加させた。tempolは、SHRでは血漿と尿中H2O2、腎SOD活性、NOS発現を増加、NADPH oxidase活性を低下させた一方、WKYでは影響しなかった。EXとtempol併用は、H2O2、腎のNADPH oxidase、SOD活性、NOS発現にSHRでは相加効果を認めたが、WKYではEX単独効果と比べて有意な変化を認めなかった。酸化ストレスが亢進したSHRでは、SOD類似薬はEXによる降圧、酸化ストレス減少、NOS発現増加効果を増強する薬剤であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の計画である高血圧自然発症ラット(SHR)における長期的運動の効果を検討し、酸化ストレスが亢進したSHRでは、superoxide dismutase類似薬は長期的運動(Ex)による降圧、酸化ストレス減少、NOS発現増加効果を増強することを明らかにできた。これにより、Exにより産生されるH2O2が腎NOS発現を増加させるという仮設の証明に近づいた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の研究結果を受けて、長期的運動によるNOS発現増加効果に対するNADPH oxidase阻害薬やxanthine oxidase阻害薬の影響を検討することで、Exにより産生される活性酸素やH2O2の成因について解明を進める。
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Research Products
(1 results)