2014 Fiscal Year Annual Research Report
セキュリティー応用に向けた増強円偏光発光性分子自己組織材料の創成
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14F04911
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
河合 壯 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (40221197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
. JATISHKUMAR 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | キラリティー / 分子ワイヤー / ナノ粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
不可視情報埋植方法としてインキ分子のキラリティーとその読み出し手法として円偏光蛍光を利用する新しいセキュリティー印刷技術の基盤学理の構築に向け強発光性と円偏光発光性を同時に満たす新しい自己組織型円偏光発光材料の開発を進めた。特に軸不斉ユニットに二つの発光分子団を導入した分子において強い編偏光発光を観察した。さらに、この分子が貧溶媒中において特徴的な自己組織構造を形成することを見いだした。具体的には、クロロホルム中においては球状のナノ結晶を形成した。さらに低極性溶媒中ではキラルワイヤー構造を形成した。それぞれの組織構造において円偏光発光性を検討したところ、自己組織構造に応じて異なる円偏光発光性を見いだした。また、キラル中心を軸不斉分子から点不斉分子変えた類似分子において、温度に応じて円偏光発光性が反転する現象を見いだした。これは読み出し温度に応じて円偏光発光信号が変化する新しいセキュリティー印刷技術の可能性を示す結果である。その起源がアルキル基の異性化であることを見いだした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通りに円偏光発光材料の自己組織構造の形成条件の検討と得られた自己組織構造に特徴的な円偏光発光特性の評価に成功しており,当初の計画に対して順調な進展と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
円偏光発光の増強の為の条件の検討と共に、円偏光発光の連続的制御と安定な円偏光発光の実現を目指してキラル過剰率を連続的に変化させた場合の円偏光発光特性の評価を行う。また自己組織構造において重要な役割を果たす溶媒と分子との相互作用に関連して各磁気共鳴スペクトルなどによる分子のコンフォメーションに対する影響を検討する。
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