2014 Fiscal Year Annual Research Report
アップコンバージョン効果促進太陽光型光触媒ナノ複合構造及び環境リスク削減への応用
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14F04920
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
王 正明 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理研究部門, 上級主任研究員 (10356610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WU Haoyi 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理研究部門, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | アップコンバージョン / 光触媒 / 水処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的を実現するためにはアップコンバージョン材料の発光性質(波長、光子収率など)が非常に重要な役割を果たしている。本年度において主に新しいタイプのランタノイド発光体や炭素系量子ドットを合成し、それらの性質について研究した。Y、Yb、Tmのそれぞれの硝酸塩、NaF、クエン酸を原料とする混合溶液にpHなどの種々のパラメータをもたらせた水熱条件を適用して、Tm3+をドープしたNaYF4: Yb3+系材料を得た。得られた材料は、ランタニド結晶構造を形成していることや900nmの近赤外線励起で青色を発光することが確認できた。従来NaYF4: Yb3+にEr3+を添着する系では緑色発光(光子エネルギー=2.3ev)を示すアップコンバージョン効果を得られているのに対し、当該材料は青色発色であることからアップコンバージョン効果で酸化亜鉛やチタニアを十分光励起できるものであった。一方、炭素系量子ドットは廉価の多孔質端を前駆体として調製し、それらの発光特性を検討した。また、遅延発光性が発光材料の持つもう一つの興味深い特性であるため、これを光触媒に応用することを目的に、セリウ添着ケイ酸塩系発光材料を調製し、可視光光触媒活性である塩化銀ナノ粒子との複合化を試みた。得られた複合体は優れた可視光触媒能を持つと同時に遅延発光による持続光触媒能も有することが明らかとなった。これらの複合化方法は、アップコンバージョン材料と光触媒ナノ粒子と複合化する後続の研究にも有意義な知見を与えるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
アップコンバージョン材料を合成できたと同時に、遅延発光性の光触媒への応用も検討できた
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Strategy for Future Research Activity |
今後は前年度で得られたアップコンバージョン材料を、光触媒活性を示す種々の半導体ナノ粒子(チタニアや酸化亜鉛など)と複合化する方法を開発し、得られた複合体について詳しく構造解析を行うと同時に、光触媒活性の増強効果の度合いについて検討する。コアーシェル構造や表面ドット分散構造などの特徴的な複合構造を構築することを試みる。また、受け入れ研究者グループで開発されたサンドイッチタイプ複合体の構築手法を活用して、コアーシェル構造などにポア構造を導入し、選択吸着性や光透過性を付与させた新規複合体を開発する。
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Research Products
(1 results)