2005 Fiscal Year Annual Research Report
非平衡透明酸化物のパラレル合成による光・電子・磁気機能の高効率探索とデバイス実証
Project/Area Number |
14GS0204
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川崎 雅司 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (90211862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川添 良幸 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30091672)
福村 知昭 東北大学, 金属材料研究所, 講師 (90333880)
松倉 文ひろ 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (50261574)
阿藤 敏行 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (40241567)
大谷 啓太 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (40333893)
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Keywords | 結晶工学 / ワイドギャップ光学体 / 酸化物半導体 / トランジスタ / スピントロニクス / セラミックス / 光物性 / コンビナトリアル |
Research Abstract |
本研究では、透明酸化物半導体に関して、光・電子・磁気機能を念頭にパラレル合成技術を駆使して新材料の探索やデバイス構築を行っている。 今年度は、CoドープTiO_2の基礎物性とデバイス応用における進展がハイライトである。 (1)光機能:昨年度までに実証したp型ZnOを用い、発光ダイオードの高性能化を行った。ホール濃度の上昇とデバイス構造の最適化により、明瞭な青色発光を再現性良く観測することに成功した。電流・電圧特性や発光スペクトルの解析も進み、今後の研究方針を明確にした。 (2)電子機能:昨年度は、基板をゲート絶縁膜とする格子整合エピタキシャル界面を有する高性能FETを実証した。しかし、より詳細な研究を可能にするにはトップゲート型への改良が必要であり、格子整合絶縁膜の材料探索を行った。パラレルエピタキシーにより、非平衡新物質である岩塩構造(MgCa)Oの全率固溶薄膜を実現した。今後、この材料を用いたFETを作製し、界面準位の低減と高移動度が達成できる見込み。 (3)磁気機能:ルチル構造のCoドープTiO_2について、光電子分光の詳細な解析から、Coが2価の高スピン状態でt_<2g>電子がTiのt_<2g>電子と良く混成していることを明らかにした。また、ルチル・アナターゼ両構造のCoドープTiO_2について第一原理計算を行い、磁気光学スペクトルを再現した。これらは、高温強磁性のメカニズム解明に有用な知見と言える。デバイス応用としては、ルチル構造のCoドープTiO_2を下部電極に、アモルファスAlO_xを絶縁層に、CoFe合金を上部電極に用いたスピントンネル接合を作製した。動作温度は200K以下と改善の余地があるが、強磁性半導体では最高温度のスピン注入を実証した。絶縁層厚を系統的に変化させた試料群を一括合成し、特性を詳細に明らかにした。
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Research Products
(45 results)