2004 Fiscal Year Annual Research Report
高度界面制御有機・無機複合構造による量子物性の発現と応用
Project/Area Number |
14GS0207
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
斉木 幸一朗 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (70143394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 秀夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (50114351)
島田 敏宏 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (10262148)
上野 啓司 埼玉大学, 理学部, 助教授 (40223482)
佐々木 岳彦 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (90242099)
有田 亮太郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (80332592)
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Keywords | ヘテロ界面 / 有機薄膜 / 電界効果トランジスタ / 走査トンネル顕微鏡 / NEXAFS / ペンタセン / フラレン / グラフェン |
Research Abstract |
高度に制御された有機無機ヘテロ界面を実現し,電界による電荷注入や界面相互作用における多体効果による新奇量子現象の発現を最終目標として今年度は以下の研究を行なった. 高度な薄膜成長制御;陽極酸化により描画したパタン化シリコン基板上へのペンタセン位置制御薄膜成長法を確立した.ステップバンチさせて周期的テラスを持つシリコン酸化膜基板上に成長させたジアセチレン誘導体の重合膜において基板の構造を反映した異方性成長を見出した.レーザー照射下におけるAlq_3薄膜において光偏光への分子軸優先配向を確認した. 電界による電荷注入分布の解明;有機薄膜成長中にFET電極構造を用いたインピーダンス測定から,その膜厚依存性,ゲート電圧依存性,周波数依存性を見出した.分布定数回路モデルを用いた解析により,これらの現象の定量的理解が可能となった.ケルビンフォース顕微鏡(KFM)によるFET断面の電位分布について有限要素法解析した結果,薄膜内グレイン境界への負電荷蓄積の可能性を示した. In situ FET特性評価システムの作製;同一試料に対して薄膜成長中のFET測定,電子分光による薄膜評価が行なえるシステムを作製し,閾値膜厚を正確に評価した.また,成膜有機試料を大気に曝すことなくAFM測定できるシステムを構築し,1層以下のペンタセン薄膜の形態を評価した. ヘテロ界面特性;イオン結晶/金属界面において見いだした金属誘起ギャップ状態(MIGS)について,金属電子密度依存性,絶縁体のギャップ依存性について系統的な計算を行い,統一的な理解を得た.さらに電子相関設計の一環としてMIGSを励起子機構に利用した界面超伝導の可能性を検討した. 有機強磁性;白金基板上に成長したグラフェン薄膜の磁性,電子状態について詳細に検討し,磁気秩序状態の存在を明らかにした.ポリアミノピロールのダイマーおよびテトラマーのドープ系において,スピン2個が強磁性的相互作用していることを強く示唆する結果を得た.
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Research Products
(6 results)