ガンマ線バーストの迅速な発見、観測による宇宙形成・進化の研究

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14GS0211
• Research Institution: Tokyo Institute of Technology
• Principal Investigator: 河合 誠之 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80195031)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 渡部 潤一 国立天文台, 天文情報公開センター, 助教授 (50201190) ; 松永 三郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (00222307) ; 細谷 暁夫 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80028258) ; 吉田 篤正 青山学院大学, 理工学部, 助教授 (80240274) ; 太田 耕司 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50221825)
• Keywords: ガンマ線バースト / X線天文学 / 光学天文学 / X線検出器 / 科学衛星

Research Abstract

ガンマ線バースト追観測用可視赤外望遠鏡の開発と、将来のガンマ線バースト斥候衛星のための基礎開発の方面で研究を進めた。
可視望遠鏡および赤外望遠鏡の設置場所として、国立天文台岡山観測所を選定した。可視光望遠鏡は口径50cm、F6とし、カセグレン焦点にダイクロイックを用いたVRI三色同時測光可能な冷却CCDカメラをとりつけることとした。望遠鏡およびドームは、対恒星時1000倍速で動き、観測可能などの方向でも30秒以内に指向可能である。望遠鏡とドームは年度内に完成する。焦点面3色カメラに用いる冷却CCDカメラは購入し、基礎的な性能試験を行なった。赤外望遠鏡は国立天文台91cm遠鏡を改造することにして、一部部品を購入し、検出器の設計を開始した。
HIIAロケットのピギーバックとして打ち上げることを想定して、体積50cm立方、重量50kgという制約のもとで、小型のガンマ線バースト観測衛星の概念設計を行なった。実質的な作業は工学系学生と理学系学生が共同して行ない、第10回衛星設計コンテストに応募して、宇宙航空学会賞を受賞した。また、光子検出器アバランシェ・フォトダイオード(APD)を小型衛星でガンマ線バーストの検出に利用するための基礎研究を行なった。シンチレーションカウンターの光検出器として用いた場合、光電子増倍管に劣らぬ分解能と低いエネルギー閾値を実現した。また、APDをそのまま軟X線検出器として用い、低いエネルギー閾値まで利用できることを実証した。
一方、HETE-2衛星を用いたガンマ線バーストの観測研究と小型のロボット望遠鏡の開発も進め、HETE-2の位置速報に基づく追観測を行なった。

Research Products

• [Publications] Barraud, C., Olive, J.-F., Lestrade, J P., Atteia, J.-L., Kawai, N.et al.: "Spectral analysis of 35 GRBs/XRFs observed with HETE-2/FREGATE"Astronomy and Astrophysics. 400. 1021-1030 (2003)
• [Publications] Covino, S., Malesani, D., Ghisellini, G., Kawai N.et al.: "Polarization evolution of the GRB 020405 afterglow"Astronomy and Astrophysics. 400. L9-L12 (2003)
• [Publications] Zarikov, S.V., Shibanov, Y.A., Koptsevich, A.B., Kawai, N., et al.: "Subaru optical observations of the old pulsar PSR B0950+08"Astronomy and Astrophysics. 394. 633-639 (2002)
• [Publications] Covino, S., Lazzati, D., Malesani, D., Ghisellini, Kawai, N et al.: "Polarimetric observations of GRB 011211"Astronomy and Astrophysics. 392. 865-868 (2002)
• [Publications] Price, P.A., Kulkarni, S.R., Berger, E., Kawai, N.et al.: "GRB 010921 : Discovery of the First High Energy Transient Explorer Afterglow"The Astrophysical Journal. 571. L121-L125 (2002)
• [Publications] Ricker, G., Hurley, K., Lamb, D., Woosley, S., Kawai, N., et al.: "GRB 010921 : Localization and Observations by High Energy Transient Explorer Satellite"The Astrophysical Journal. 571. L127-L130 (2002)