2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14GS0213
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
関 一彦 名古屋大学, 大学院理学研究科, 教授 (80124220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大内 幸雄 名古屋大学, 大学院理学研究科, 助教授 (60194081)
金井 要 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助手 (10345845)
上野 信雄 千葉大学, 工学部, 教授 (40111413)
石井 久夫 千葉大学, 先進科学研究教育センター, 教授 (60232237)
森川 良忠 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (80358184)
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Keywords | 超薄膜 / 有機電子デバイス / 方面・界面物性 / 有機半導体 / 電界発光素子 / 光電子分光 / 有機太陽電池 / 界面電子構造 |
Research Abstract |
本年度はこれまで開発・進化させてきた諸手法を駆使して、以下のように有機界面の詳細な解析を行った。 1.関・金井・石井が開発した、真空中・気体中でのイオン化エネルギーが測定できる光電子量分光(PYS)を改良し、表面電位を測定できるケルビン法と併用可能とした。これを用いて有機/金属,金属/有機界面での電気二重層の決定、大気や酸素のイオン化エネルギーへの影響などを詳細に訓べた。 2.上野らが確立した、層状基板上に有機膜を高秩序に成長させた系を基板とし、この上への別の有機半導体の堆積により、「弱くしか相互作用しない制御可能な界面」を実現し、この界面に生成する電気二重層が、両層の間の電荷移動で生じることを見いだした。 3.Cu(110)面やBi(111)面などの上に高配向性ペンタセン膜を成長させ、シンクロトロン放射光等による角度分解光電子分光測定により、これらの膜のエネルギーバンド分散や、ペンタセン/Cu界面における界面特有の電子準位の生成を観測するのに成功した。 4.金井・関が開発した逆光電子分光装置が日常的に使用可能となり、黒鉛上のテトラシアノナフトキノジメタン(TNAP)等の系、さらに大内が表面構造を詳細に調べているイオン液体の電子構造を決定した。 5.金井・関らは有機半導体への電子供与体・受容体のドーピングによる界面電子構造制御に成功し、これを用いて電極から有機半導体への電荷注入効率の増大を実現した。 6.森川は第一原理計算によりAl/Alq_3界面の電子構造がAlq_3分子の双極子モーメントの向きに大きく依存することを見いだし、また従来の理諭計算では取組み難かったファン・デル・ワールス相互作用を取り入れた計算プログラムを開発した。 また、平成18年10月に名古屋大学で公開シンポジウム(企業24社を含む145名参加)、平成19年1月には大阪大学で有機界面理論に関する国際シンポジウム(5カ国104名)を開催し、研究成果の発信と社会還元を行った。
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Research Products
(64 results)