Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 和彰 九州大学, 情報基盤センター, 教授 (10200263)
黒木 幸令 九州大学, システムLSI研究センター, 教授 (40234596)
櫻井 幸一 九州大学, システムLSI研究センター, 教授 (60264066)
佐藤 寿倫 九州大学, システムLSI研究センター, 教授 (00322298)
篠崎 彰彦 九州大学, 経済学研究院, 教授 (00315045)
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Research Abstract |
平成18年度は昨年度から試験的に開始した新キャンパスでの建物の入退館や図書館業務へのPID搭載ICカードの本格的運用を開始するとともに本研究の成果のまとめをおこなった.多サービスに耐えうる個人・サービス認証と個人保護技術と事故時の混乱の波及を最小限にとどめる技術を実証的に確認し実用化プロジェクトへと発展させた.実用化に向けては,経済産業省のディジタルコミュニティー実証実験を受託し,60社にのぼる民間企業とも連携をして福岡市営地下鉄をはじめとする交通系,各種小売業,金融機関等と連携した社会実験として実施した.学術的には,これまでの経験や技術の蓄積をベースに「価値」と「信用」を搭載するシステムLSIに求められる設計,テスト,製造に対する要件をまとめ,科学技術振興機構の戦略プロポーザルにその多くの部分が反映された.また,最先端の加工技術がLSIの信頼性や安全性に与える影響に関する基礎データの収集も引き続いて行った. 本年度で最終年度であるが,本研究ではシステムLSI設計技術を今後の高度情報化社会を支える基盤情報技術として捉え,システムLSIに十分な機能,性能,品質,信頼性,安全性を与えるための統合的な設計技術を確立した.具体的には,高機能・高性能なシステムLSIを短期間かつフレキシブルに設計する技術,必要最小限のエネルギー消費を実現する設計技術,社会基盤に求められる信頼性・安全性を実現する技術の3点を,社会科学,情報セキュリティ技術,ソフトウェア技術,無線通信技術,設計支援技術,設計手法,テスト技術,製造技術のすべての観点から検証し,新しい技術体系と学問体系を再構築した.九州大学のキャンパス移転に際して,学内の職員や学生の認証システム・セキュリティシステムを実験的に構築し,開発した技術の評価を行い,その基盤となるシステムLSIへのフィードバックを図ることで新しい研究分野を確立した.
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