2005 Fiscal Year Annual Research Report
ソフト&ウェット型人工筋肉の創出と生体代替運動システムへの応用
Project/Area Number |
14GS0301
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
長田 義仁 北海道大学, 大学院理学研究科, 教授 (60007804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ぐん 剣萍 北海道大学, 大学院理学研究科, 教授 (20250417)
安田 和則 北海道大学, 大学院医学研究科, 教授 (20166507)
八木 駿郎 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (30002132)
山本 眞史 北海道大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (10322835)
川端 和重 北海道大学, 大学院理学研究科, 教授 (20261274)
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Keywords | DNゲル / 高強度ゲル / 人工軟骨 / アクチュエーター / 人工筋肉 / 低摩擦 |
Research Abstract |
高強度DNゲルの階層構造制御とその力学応答 高強度超低摩擦ダブルネットワーク(DN)ゲルの第1網目に様々な粗密構造を導入するために、重合のダイナミックス制御による方法、シリカ微粒子によるテンプレート法、貧溶媒による相分離方法を用いてゲルを合成し、ゲルの構造変化により力学物性への影響を系統的に検討した。その結果、第2網目の構造が全く同じでも、第1網目の空間粗密構造によって、ゲルの力学物性が敏感に変化することを発見した。粗密構造がある臨界条件を越えると、DNゲルがNecking現象を起こすことが観察された。これは、含水ゲルで初めて観察された新しい現象である。Necking後のDNゲルは高分子電解質であるにもかかわらず、20倍近くまで伸びることができ、高強度を示す。 さらに、生合成を利用して、空間の粗密構造をもつ生体適応性高分子であるバクテリアセルロース(BC)を創製し、基板のテンプレートを利用して、高度に配向性を持つBCゲルの創製にも成功した。 DNゲルを人工軟骨への応用 DNゲルで人工軟骨を開発するため、PAMPS/PDMAAm、PAMPS/PAAm、Cellulose/PDMAAm、Cellulose/Gelatin DNゲルの耐摩耗特性、生体内劣化特性、および生体内異物特性を評価した。その結果: (1)Pin-on-flat摩耗試験(セラミックピン使用) PAMPS/PDMAAmは他の3ゲルに対して有意に摩耗が少なく、その摩耗量は超高分子ポリエチレンのそれに比肩しうるものであった。 (2)Block皮下埋め込み試験 6週間の皮下埋め込みによってPAMPS/PDMAAm DNゲルの材料特性は有意に増加したが、Cellulose/Gelatin DNゲルのそれは有意に劣化した。PAMPS/PAAmおよびCellulose/PDMAAm DNゲルには有意の変化がなかった。 (3)レット筋内埋め込み試験 PAMPS/PDMAAm DNゲルのペレット筋内埋め込み4および6週の異物反応はマイナスコントロールよりも有意に小さかった。その他の3種類のDNゲルは常にプラスコントロールと同等、または大きいの異物反応を示した。 以上より、人工軟骨の素材としてはPAMPS/PDMAAmゲルがもっとも有望であることが明らかとなった。
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