2016 Fiscal Year Annual Research Report
MYCN-Tgマウスにおける神経芽腫発生の運命決定機構の解明
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14J00157
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
坪田 庄真 名古屋大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 神経芽腫 / MYCN / Spheroid culture / エピゲノム / PRC2 / Ezh2 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、小児がんの一つである神経芽腫のMYCN-Tgマウスモデルにおける腫瘍発生の運命決定機構の解明である。特に腫瘍形成初期イベントに着目し、MYCN-Tgマウスの組織とSpheroid cultureによって得られた細胞を対象に網羅的解析を行い、エピゲノム制御分子であるPRC2 が神経芽腫の発生初期において重要な分子の一つであることを明らかにした。PRC2の中でもヒストンメチル基転移酵素のEzh2が、ヒストンH3の27番目のリジンをトリメチル化(H3K27me3)しターゲット分子の発現を抑制する。 MYCN-Tg由来Sphereでは野生型由来Sphereに比べ、PRC2ターゲット遺伝子の発現が低下していた。ゲノムレベルでのH3K27me3修飾状態を調べるためにChIP-sequencingを行った。その結果、MYCN-Tg由来SphereではPRC2ターゲット分子の遺伝子領域(特にプロモーター)でH3K27me3が増加していた。PRC2ターゲット遺伝子の発現低下が、H3K27me3レベルの増加によるものであることが示唆された。 Ezh2に対するshRNAとそのヒストンメチル基転移活性を阻害する薬を用い介入実験を行った。その結果、ノックダウン及び薬のどちらもin vitroでの細胞増殖を著しく抑制した。また、阻害剤はin vivoにおいてもTH-MYCNマウスの腫瘍形成を著しく阻害した。神経芽腫においてEzh2がその生存に必須であることを示唆している。 最後に、約500例のヒト神経芽腫の発現解析データを調べた結果、より悪性度が高い患者でPRC2ターゲットの発現が低く、予後不良と相関していることが明らかになった。 これまで神経芽腫におけるPRC2の役割、特に腫瘍発生の初期に関わっているという報告はなく、新規な知見を得ることができた。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)