2014 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカ熱帯林の時空間的な環境異質性がうみだす大型類人猿二種の共存
Project/Area Number |
14J00182
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
寺田 佐恵子 京都大学, 霊長類研究所, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2015-03-31
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Keywords | 大型類人猿 / アフリカ / 熱帯林 / 生息地利用 / ボノボ / チンパンジー |
Outline of Annual Research Achievements |
中央アフリカ熱帯林は、雨季・乾季が明瞭で、サバンナと多様な森林タイプからなるモザイク状の植生を有すため、広域での時空間的な環境異質性が高い。この環境の異質性の高さが、大型類人猿の高密度での生息に貢献していると予測される。本年度は、大目標である大型類人猿2種(チンパンジー、ゴリラ)の共存メカニズム解明の基盤として、チンパンジーと同属種である大型類人猿1種(ボノボ)における年間の生息地利用パターンを明らかにした。野生ボノボ一群が遊動域内に含まれる複数の森林タイプをどのように利用しているかを、群れ追跡によって過去に取得されたGPSデータの解析によって調べた。結果、対象ボノボ群は、遊動・採食・寝床の全てにおいて、成熟林を選択的に利用(遊動域内の面積割合以上に高頻度で利用)し、二次林及び湿地林は非選択的に利用していることがわかった。また、対象群は、成熟林で果実が少ない季節に、高頻度で二次林での遊動・採食を行い、二次林では主に草本を食していることがわかった。一方、湿地林は、遊動・採食には毎月利用され、特定の月のみ原生林以上の頻度で利用された。この月は、湿地林にのみ生育しボノボが好物とする果実の結実期と一致していた。さらに、ボノボは湿地では、通年で湿地林にのみ生育するキノコを食していた。以上より、ボノボは、果実や寝床となる高木が豊富な成熟林を好む一方で、果実欠乏期には二次林の草本を代替資源として利用し、原生林とは異なるフェノロジーで餌資源を提供する場所として湿地林を通年で利用することが示唆された。チンパンジーについても、ボノボ同様に、遊動域内の複数の生息地を、目的とする資源の時間変動に応じて使い分けていることが予測される。さらにそこに餌資源を重複させるゴリラとのどのような種間相互作用が存在するか、それが2種の分布にどのように影響しているかを明らかにすることが、今後の課題である。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
学会における発表省受賞のニュース2件。
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Research Products
(8 results)