2014 Fiscal Year Annual Research Report
海底堆積物内の微小空間可視化解析による地下微生物の地質学的生息限界の探究
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14J00199
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| Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
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Principal Investigator |
浦本 豪一郎 独立行政法人海洋研究開発機構, 高知コア研究所, 特別研究員(PD)
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| Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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| Keywords | 海底堆積物 / 微小団塊 / 海底下微生物 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の前半は，取得済みの試料を含め，様々な堆積環境，海底表層～地下超深部から掘削された天然堆積物試料を確保・情報の整理を実施した．
その後，本研究の遂行に必須となる海底堆積物中での微生物細胞可視化技術の構築を進めた．まず，次亜塩素酸処理した天然試料に既知の微生物として大腸菌を混ぜた対照標準試料を用意した．試料処理は，対照標準試料をタングステン電子染色・遺伝子蛍光染色，樹脂包埋処理し，ミクロトームにより薄片作製した．薄片の蛍光顕微鏡観察では試料中の微生物細胞の蛍光シグナルを検出した．一方，走査電子顕微鏡観察では，電子染色処理に用いたタングステンのシグナルが弱く，微生物細胞の検出に至らなかった．
平成26年度後半は，微生物活動に関連した海底地下での化学反応で形成された微小団塊の分離処理を進めた．この処理では土壌団粒の比重分画法を海底堆積物の処理に応用し，堆積物から数μmスケールの微小団塊を分離する技術を構築した．分離した微小団塊について，走査電子顕微鏡による微細構造観察と，エネルギー分散型X線分析装置による組成分析を実施した．その結果，南太平洋環流域の外洋堆積物に含まれる微小団塊は，微細構造と組成の特徴から，マンガンに富む微小団塊と鉄に富む微小団塊に分類されることが分かった．また，南太平洋環流域の地層内環境の特徴から，白亜紀に形成され，超長期的に保存されている微小団塊が存在することが分かり，微小団塊の形成・保存について，新しい議論を展開する結果が得られ，成果報告のため論文執筆中である．
また，平成26年11月末～平成27年1月末に，国際深海科学掘削計画の研究航海に参加し，新規試料を取得した．この航海では，インドモンスーンの中心地域であるインド洋ベンガル湾・アンダマン海で海底堆積物が掘削され，白亜紀まで遡る高解像度かつ地球規模の古気候や生物進化研究を行うコア試料が得られた．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海底堆積物の間隙に生息する微生物細胞を可視化させる技術開発は，様々な試料処理技術や測定手法の試行錯誤を重ねながら研究を進めている段階であるが，一方で，外洋の白亜紀堆積物を独自開発の手法で観察し，超微小団塊の集積層を発見し，その形成要因や続生プロセス等に関する新しい知見が得られたことは研究が進展していることを示している．
また，国際深海科学掘削計画（IODP）によるインド洋航海に参加し，同航海で採取されたコア試料の堆積学的特徴を記載したと共に (Clemens et al., 2015)，本研究に関連する分析用試料を採取したことは，平成26年度における研究が着実に進捗していることを示している．
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| Strategy for Future Research Activity |
堆積物中の微生物可視化処理は，複数の重金属試薬を併用し，更にチオカルボヒドラジドのような微生物細胞に重金属をより強力に付加する試薬を用いることで，電子顕微鏡下での微生物細胞の検出感度をアップグレードさせることを計画している．
このような可視化技術を，初年度の研究で発見した微小団塊の観察に応用し，微小団塊と微生物細胞の相互接続様式を明らかにする．また，インド洋における国際深海科学掘削計画の研究航海で取得した試料も，上述の手法によって処理・試料観察し，古環境変動と海底地下での微生物活動との相関関係を議論する．
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Indian monsoon rainfall2015
Author(s)
Clemens, S.C., Kuhnt, W., LeVay, L.J., and the Expedition 353 Scientists
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Journal Title
International Ocean Discovery Program Expedition 353 Preliminary Report
Volume: 353
Pages: 1-46
DOI
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