2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14J00460
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
狭間 諒多朗 大阪大学, 人間科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
|
Keywords | 地域間移動 / 階層間移動 / 主観的社会移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.共著論文の執筆 地域間移動については、U・Iターン者に焦点を当て、彼/彼女らが地域文化活動の担い手であることを明らかにした。この結果をまとめたものが、「全国調査データでみる地域文化活動の「平均像」」というタイトルで、苅谷剛彦編『「地元」の文化力』(河出書房新社)に収録されている。地方創生が喫緊の課題となっている中で、地方へと移動する人々の実態をデータを元に明らかにすることは今後の政策提案につながっていくと考えている。階層間移動については、主観的社会移動が客観的社会移動と階層帰属意識の関連を媒介していることを明らかにした。この結果については「階層帰属意識の規定要因としての社会移動――主観的社会移動が捉える2つの経路」というタイトルで『年報人間科学36号』に収録されている。これまで客観的な階層間移動ばかりに注目が集まっていた社会移動研究に主観的社会移動の重要性を提示できたことに、大きな意義があると考えている。 2.アンケート調査の実施 「研究実施計画」に従い、若年層を対象としたインターネットによるアンケート調査を実施した。上記2つの研究成果を元に、地域間移動、主観的社会移動に関する質問項目も盛り込んだ。若年層に対象者を絞ることによって、右肩上がりの時代を終えた後の日本社会の実態を記述することを目的としている。 3.学会発表 2.でのアンケート調査を用いて分析を行い、「若年層における主観的くらしむき変化の規定要因」というタイトルで第59回数理社会学会大会で発表を行った。若年層においては、雇用形態や収入、配偶者の有無、住居形態の変化が主観的なくらしむきの変化を規定していることを明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究目的と研究計画に従い、初年度を終えることができた。地域間移動、階層間移動それぞれに関して著書や論文という形で研究成果を発表することができた。また、「研究実施計画」に記したインターネット調査についても実施することができ、その成果の一部を学会にて発表することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度実施したインターネット調査の分析をさらに進めていく。また、現時点において、高度な分析技法にかけるためにはサンプル数が不足していると感じているため、追加でなんらかの調査を実施する可能性がある。今年度は地域間移動と階層間移動について別々に研究を行ったが、今後は本研究の目的である地域間移動と階層間移動を組み合わせた社会移動の研究を行っていく。
|
Research Products
(3 results)