2015 Fiscal Year Annual Research Report
非平面π共役系分子を用いたレーザ誘起含窒素グラフェンの構造選択的ボトムアップ合成
Project/Area Number |
14J00723
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
稲田 雄飛 大阪大学, 産業科学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 含窒素グラファイト / ボトムアップ合成 / スマネン / レーザ / ポリアニリン / 燃料電池 / 酸素還元 / 正極触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、含窒素グラフェン(グラファイト)をボトムアップ方式で窒素/炭素(N/C)比を保持しつつ構造選択的に合成する方法を開発し、より簡便な設計を提供することを目的としている。 今年度は、前年度の検討で得られた知見をもとに合成した含窒素グラファイトの応用研究として、固体高分子形燃料電池の正極で起こる酸素還元反応(ORR)の触媒活性に焦点を当てた。まず、ORR触媒活性測定用のグラッシーカーボン電極上に塗布した非平面π共役系分子スマネンの含窒素誘導体をレーザ誘起グラファイト化させた。顕微ラマン分光測定によって塗布した原料の炭素化を、導電測定によって電極と炭素体間の導通をそれぞれ確認し、電極上でも含窒素グラファイトを直接合成できることが分かった。次に、ORR活性の測定を行ったが、必ずしも高い活性を示さなかった。スマネン誘導体以外のπ共役系分子の合成技術を習得するため、ウルム大学(ドイツ)で半年間合成経験を積んだ。 帰国後、炭素化するための原料と合成法の詳細な検討を重ねたところ、ホスホン酸部位を有するポリアニリンと鉄塩等の添加物を混合して1000 ℃で熱分解したものが、現行の白金に匹敵するORR活性を示すことを見出した。この熱分解物の構造特性を調べたところ、顕微ラマン分光測定によって試料の炭素化を、X線光電子分光測定によって試料に窒素、リン、鉄が含まれていることをそれぞれ確認した。 本成果は当初の計画から派生したもので、世界最先端の結果に匹敵すると考えられ、十分な進展があったといえる。また、本成果は日本化学会第96春季年会で発表された。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)