2014 Fiscal Year Annual Research Report
単層カーボンナノチューブ立体ナノ構造体のレーザーナノプロセッシング
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14J00740
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
牛場 翔太 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | カーボンナノチューブ / レーザープロセシング / 複合材料 / コンポジット / 微細加工 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は単層カーボンナノチューブ(SWCNT)立体ナノ構造体の開発を目的としている。本年度はレーザー微細加工技術である2光子加工法を駆使し、配向制御したSWCNT/ポリマーコンポジットの作製に主に取り組んだ。主な成果は以下の2点である。 (1)SWCNTの配向メカニズムに関する考察:線幅400~1000 nmの異なるナノワイヤーを作製し、SWCNTの配向度のワイヤー幅依存性を顕微偏光ラマン顕微鏡で調べた。その結果、ワイヤー幅が細くなるにしたがって配向度が向上することを見出した。SWCNTの配向には(1)重合反応に伴う樹脂の流動、(2)光勾配力、(3)空間的な閉じ込め効果が関与していることが明らかとなった。 (2)3次元構造中でのSWCNTの配向制御法の確立:ナノワイヤーアレイを組み合わせて立体構造を作製することで、立体構造中でのSWCNTの配向制御が可能になることを見出した。本手法により、立体構造内において任意の方向にSWCNTを配向させることが可能であることを示唆している。 本研究成果は、世界的に権威のある学術誌Advanced MaterialsおよびJournal of Nanomaterialsにて発表された。さらに、国内外の学会にて口頭・ポスター発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2014年度の年次計画では、光放射圧によるSWCNTの濃度および配向制御を掲げていた。計画に沿って研究を進める中で、構造の線幅がSWCNTの配向度に大きく関係することを見出した。また、レーザー光の偏光方向よりもレーザー光の走査方向の方がSWCNTの配向度に対する寄与が大きいことを見出した。これらは当初の計画に掲げていなかった発見である。そのため、予定していた配向度制御の方法ではなく、構造およびレーザー光の走査方向でより効率的にSWCNTの配向を制御する方法を採用して研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年度は、SWCNTと光の相互作用に関して、より深く研究を進めていく方針である。SWCNTはそのカイラリティ(螺旋度)に応じて半導体にも金属にもなり得り、異なる光学特性を備える。レーザー光の波長を掃引して、それぞれの波長で、特定のカイラリティを有するSWCNTとの強い相互作用に関して調べていく。
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Research Products
(6 results)