2015 Fiscal Year Annual Research Report
表面増強ラマン散乱を用いた単一モータータンパク質のダイナミクス計測
Project/Area Number |
14J00741
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
畔堂 一樹 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | プラズモニクス / ラマン散乱 / 表面増強ラマン散乱 / 一分子観察 / F1-ATPase |
Outline of Annual Research Achievements |
表面増強ラマン散乱(SERS)の、高感度、高分解能な性質を用いて、モーター単一たんばく質F1-ATPaseのダイナミクスにおける加水分解反応を観察し、F1-ATPaseの機構解明を目指した。F1-ATPaseは一つのATPを加水分解することで120度の回転トルクを得る。その過程でADPとリン酸を乖離するが、その詳細なメカニズムは分かっていない。SERSを用いてこの課程を観察し、F1-ATPaseの回転機構の解明を試みた。 昨年度に構築したSERSとF1-ATPaseの回転運動を観察するための全反射暗視野照明を同時観察するための系を用いて実験を行った。表面を化学処理したガラス基板上にF1-ATPaseを吸着させ、その回転軸のγユニットには, 40nmの金ナノ粒子を非特異的に吸着させた。そのガラス基板をATP水溶液で満たし、F1-ATPaseの加水分解反応を観察した。加水分解しながら回転する様子を暗視野顕微鏡で観察した。一方でSERS検出用のカメラは暗視野検出用のカメラと同期されており、100ミリ秒/フレームの測定条件で同時観察を行うことに成功した。 F1-ATPaseの回転運動は得られた連続の暗視野像に対して重心解析を行い、数ミリメートルの位置精度で金ナノ粒子の動きが検出された。同時計測されたSERSの連続スペクトルはナノ粒子の動きに合わせてどのように変化していくかを調べるために、2つの方法を用いて解析を行なった。解析に際し、金ナノ粒子が大きく動いた際に、F1-ATPaseの加水分解反応が起きたと仮定し、 1)金ナノ粒子の動きの距離を関数として解析、2)時間変化するスペクトルに対する主成分分析 を行った。移動距離のヒストグラムを取り、動きとスペクトルの相関を取ったが変化はなかった。今後は一つの加水分解サイトに注目して経時観察することにより新しい解釈ができるものと考える。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)