2014 Fiscal Year Annual Research Report
共鳴中性子を利用した新しい定量的材料イメージング法の開発
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14J00871
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
長谷美 宏幸 北海道大学, 工学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 中性子 / イメージング / 共鳴吸収 / 粉末 / 加速器 |
Outline of Annual Research Achievements |
加速器パルス中性子源を利用した革新技術であるパルス中性子イメージングの一種として中性子共鳴吸収分光法(N-RAS)を利用したイメージング手法が存在する。特定のエネルギーを有する中性子が物質に吸収される確率が非常に大きくなる現象を共鳴吸収といい、N-RASはこの共鳴吸収をエネルギー分析手法である飛行時間分析法と組み合わせて観測する手法である。N-RASによって観測される共鳴吸収ピークを解析することで物質中の核種(同位体)の情報や原子振動などのダイナミクスの情報を非破壊・非接触で取得することができる。試料が粉末である場合、共鳴吸収ピークはその粒子サイズ分布によって変化するため、本研究ではN-RASを用いて粉末試料のサイズ分布や充填率を定量的に評価し、最終的にはイメージングを行うことを目指している。 本年度はイメージングへの足掛かりとして、まず酸化銀と酸化インジウムの粉末に対する共鳴吸収ピーク測定実験を行った。この実験では酸化銀に含まれるAg-109及び酸化インジウムに含まれるIn-115を共鳴吸収ピーク観測用のインジケータとして選択し、アルミ容器内にそれぞれを封入したものを試料とした。実験は北海道大学の電子線形加速器施設にあるパルス熱中性子源において行い、粉末試料の中性子透過率スペクトルの測定を行った。 測定された透過率スペクトル中に現れるAg-109及びIn-115に由来した共鳴吸収ピークは、試料が均質な場合の共鳴吸収ピークよりもその深さが浅くなるということが確認された。この測定された共鳴吸収ピークを共鳴解析コードREFITにより解析を行った。その結果、試料の粒子の粒径分布を対数分布と仮定し、この分布のバラつきを示す分散に関するパラメータを0.3、粒子間に生じる空隙の割合を0.2とすることで、実験で得られた共鳴吸収ピークを再現することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
主な目的である粉末試料の中性子透過率スペクトルの測定を行い、そこに含まれる共鳴吸収ピークの定量的な解析に成功した。これによって、粉末の性質などをN-RASによって非破壊・非接触で取得することが可能となった。粒子径分布や空隙の違いによる共鳴吸収ピークの変化に関する測定データはまだ不足しているため、系統的な実験データの取得及び解析をする必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
様々な粒度分布を有する粉末試料の共鳴吸収ピークの測定を行い、さらに解析を進める。また、位置によって密度が異なるような粉末試料に対して中性子二次元画像検出器を用いたN-RASイメージング実験を行う。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] Quantitative nuclide imaging by neutron resonance transmission method at HUNS2014
Author(s)
H.Hasemi, T. Kai, M. Harada, T. Shinohara, K. Kino, H. Sato, M. Ooi, M. Segawa, T. Kamiyama, Y. Kiyanagi
Organizer
10th World Conference on Neutron Radiography
Place of Presentation
Grindelwald, Switzerland
Year and Date
2014-10-05 – 2014-10-10
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