2015 Fiscal Year Annual Research Report
共鳴中性子を利用した新しい定量的材料イメージング法の開発
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14J00871
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
長谷美 宏幸 北海道大学, 工学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 中性子 / イメージング / 共鳴吸収 / 粉末 / 加速器 |
Outline of Annual Research Achievements |
加速器パルス中性子源を利用した革新技術であるパルス中性子イメージングの一種として中性子共鳴吸収分光法(N-RAS)を利用したイメージング手法が存在する。N-RASによって観測される共鳴吸収ピークを解析することで物質中の核種(同位体)の情報や原子振動などのダイナミクスの情報を非破壊・非接触で取得することができる。試料が粉末である場合、共鳴吸収ピークはその粒子サイズ分布によって変化するため、本研究ではN-RASを用いて粉末試料のサイズ分布や充填率を定量的に評価し、最終的にはイメージングを行うことを目指している。 本年度は様々な粒度分布を有する粉末試料の共鳴吸収ピークの測定を行い、系統的な実験データの取得及び解析を進め、N-RASによる粒子情報取得の性能の評価を行った。試料として平均粒子径が5 μm、53 μm、150 μmの3種類のタングステン粉末を用意し、北海道大学の45 MeV電子線形加速器施設にあるパルス熱中性子源において中性子透過率を測定した。また、解析には粉末の粒度分布の情報が必要であるため、レーザー回折法によりこれを取得した。取得した共鳴スペクトルの解析には共鳴解析コードREFITを用い、試料の原子数密度分析を実施した。その結果、5 μm、53 μmのタングステン粉末に関しては、フィッティングによりその原子数密度を3%以内の精度で求めることに成功した。150 μmの試料に関してはフィッティングがうまくいかなかったものの、解析手法の問題ではなく試料内部のタングステン粉末の不均一性が原因であると考えられる。N-RASによって、数 μm程度の微細な粉末から数10 μm程度の粉末までその粒子情報を得ることが可能であることが示された。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)