2015 Fiscal Year Annual Research Report
介護保険制度のダイナミクス-生成と変化のメカニズム-
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14J00973
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大久保 将貴 大阪大学, 人間科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 介護保険 / 社会保障 / 応用計量分析 / 因果推論 / 介護労働者の賃金 / 介護労働者の離職 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,介護保険制度が抱える諸問題の実態を把握し,またその諸問題が生じるメカニズムを明らかにすることであった.その際,因果推論の立場に立脚し,分析ツールとして用いることで,介護保険制度が抱える諸問題とその原因について,因果関係の識別を目的とした.こうした研究目的に応じて,以下の通り,研究報告4本,論文3本の研究成果を得た.
研究報告:(1)統計的因果推論と計量社会学:因果効果は社会を記述するか(関西社会学会にて報告済,学会奨励賞受賞)(2)福祉系資格保有が賃金に与える因果効果(福祉社会学会にて報告済)(3)Institutional Isomorphism in Japanese Long-Term Care Insurance Premium: DiD/IV Analysis(Causal Inference for Research Designにて報告済)(4)医療・介護サービスの提供体制は死亡場所を規定するか(数理社会学会にて報告済)
論文:(1)因果推論の理論と分析手法(『年報人間科学』に掲載)(2)社会意識と主観的健康(『SSPプロジェクト報告書[基盤研究(S)「現代日本における階層意識と格差の連関変動過程の実証的解明」』(23223002 研究代表者:吉川徹)]に掲載)(3)介護労働における就業継続意向の規定要因: "Prisoner of Love"仮設の検証(『フォーラム現代社会学』に掲載決定)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに学会報告・論文投稿を行った.その際,多くのコメントを頂戴したことで,今後の研究計画に多少の変更はあったものの,介護保険という研究対象と因果推論という方法を適切に組み合わせる方向性を見い出した.
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Strategy for Future Research Activity |
第1に,学会報告を終えた研究については必ず論文投稿する.またその際に,海外の査読付き学術雑誌を検討する.第2に,介護保険の歴史,介護労働についてはある程度の研究成果を挙げたため,介護保険財政や介護提供体制に関する分析に着手する.
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Research Products
(7 results)