2015 Fiscal Year Annual Research Report
対人関係の調整から見たポライトネスの研究:自然会話を用いて
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14J01064
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
臼田 泰如 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | ポライトネス / 相互行為 / 会話 / 対人関係 / 行為 |
Outline of Annual Research Achievements |
「対人関係の調整」を自然に生じた会話のデータに基づいて記述し分析するという課題に基づき,以下のような口頭発表を行った.[1] では,雑談において生じる「冗談」が,その直後の位置に笑いやさらなる冗談を誘発するという記述を通じて,参与者の会話の場に対する関与 (Goffman 1966) を高め,対人関係の調整に影響することを論じた.[2] では,知識に属することがらには知識があれば言及することができるが,経験を語るにはそれを経験しているという事実に基づく権限が必要であるという知見 (Sacks 1992) を踏まえ,ある特定の話題について経験を有しない参与者が,経験を有する参与者の言及の直後というタイミングでなら言及が可能であるという記述を行った.これにより,特定の種類の発話を行うタイミングが,参与者の会話の場における立場を変化させるという対人関係的機能を持つことを示した.[3] では,雑談における演技的発話について分析した.演技的発話は単独では生じにくく,なんらかのエピソードや人物の振る舞いに関する記述的な発話がなされた直後の位置で生じやすいことを示した.この議論を踏まえて現在,演技的発話は,記述的な発話をより「面白く」言い換える方法であるという分析を行い,「面白さ」という雑談の動機を対人関係的側面から示す論文を準備中である(2016年4月現在,査読中).
参考文献 Goffman, Erving. 1966. Behavior in Public Places: Notes on the Social Organization of Gatherings. New York: The Free Press. Sacks, Harvey. 1992. Lectures on Conversation. Vol. 1 & 2. NJ: Wiley-Blackwell.
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)