2014 Fiscal Year Annual Research Report
イオン液体中で発現する新規逆ミセル溶液の構造化学とその不均一反応場への展開
Project/Area Number |
14J01113
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
草野 巧巳 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2015-03-31
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Keywords | イオン液体 / 逆ミセル / 界面活性型イオン液体 / 界面活性剤 / 小角X線散乱 / ラメラ構造 / ベシクル / ナノ不均一反応場 |
Outline of Annual Research Achievements |
イオン液体(IL)は不燃性や不揮発性等の従来の溶媒にない特徴を持つことから、新規の反応場溶媒として期待されている。近年、ミセルや逆ミセルといった「ナノ不均一反応場」がIL中でも安定に形成されることが報告され始め、それを利用した①物質の分離・分配②ナノ粒子の精密形成③生体(酵素)反応等、従来溶媒系では不可能であった新しい化学反応場の開拓が進められている。 ILを用いる逆ミセル(RM)形成において、従来系では、IL / 界面活性剤 / 水に有機溶媒を加えた4成分系での報告が一般的であった。我々は最近、典型的な非水系イミダゾリウム型イオン液体(aprotic IL, aIL)およびそれと類似骨格を有するプロトン性イオン液体(protic IL, pIL)を混合溶媒とすることで、有機溶媒を使用すること無く、安定な逆ミセルを形成させることに成功している。この系をさらに発展させ、本研究においては従来用いられていたILの代わりとして、界面活性剤と同等の化学構造を有する、界面活性型イオン液体(SAIL)を用いている。SAIL / 水の系に関して、小角X線散乱(SAXS)を用いて逆ミセル形成の確認を行ったところ、IL / 水二成分系において逆ミセルが安定に形成されていることが確認された。ILと水の二成分のみで逆ミセルを作成した報告例は未だ無く、分離・濃縮分野へ大きな波及効果を生むと確信している。こちらの系に関しては、現在論文を執筆中であり、十分な成果を得ることができたと考えられる。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)