2016 Fiscal Year Annual Research Report
炭素12原子核の稀ガンマ崩壊モード探索による宇宙での元素合成過程の解明
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14J01256
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
津村 美保 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 元素合成 / 天体核反応 / 固体水素標的 |
Outline of Annual Research Achievements |
採用第3年度目である平成28年度は、 2年度目までに開発した0.5 mm厚の固体水素標的や反跳陽子検出器 Gionを用いて、予定されている本実験と同じセットアップでビーム照射試験を行った。厚さ0.5 mmの固体水素標的に262 MeVの12Cビームを入射し、反跳された粒子を反跳陽子検出器Gionで検出した。GionはSi検出器とGAGG検出器からなっており、粒子がSi検出器で損失したエネルギーから、陽子が反跳されたイベントを選出した。またSi検出器とGAGG検出器で陽子が損失したエネルギーから、散乱された12Cの励起エネルギーを運動学的に求めた。 照射試験で得られた12Cの励起エネルギースペクトルでは、以前本研究員が行ったポリエチレン(CH2)を標的とした照射試験で得られたスペクトルと比較して、バックグラウンドを大幅に削減できていた。また、12Cの基底状態(01+)と励起状態の4.44 MeV状態(21+)、7.65 MeV状態(02+)、9.64 MeV状態(31-)を正しく同定できていた。ただし、注目している31-状態の励起エネルギー分解能は340 keVであり目標分解能240 keVを達成できていなかった。 照射試験後には、試験で明らかになった問題点を解決するために固体水素標的と反跳陽子検出器の改良を重ね、より薄い0.3 mm厚の固体水素標的と、より分解能と検出効率の良い反跳陽子検出器Gionの開発に成功した。これらは間もなく予定されている本実験で投入されることになっており、現在実験データの取得準備中である。データの取得が終わり次第、解析を行う。解析した結果を論文にまとめ、学術雑誌に投稿し、結果は国際会議などでの報告も行う。この結果を元に博士論文を作成し博士の学位を取得する。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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