2015 Fiscal Year Annual Research Report
J-PARCにおける中性子電気双極子モーメント測定実験の為の測定セルの開発研究
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14J01295
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
片山 領 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 中性子EDM / 貯蔵セル / 貯蔵実験 / 検出効率 / 試験材 / DLC / ニッケルモリブデン |
Outline of Annual Research Achievements |
[反射性能の決定精度の評価] 超冷中性子の貯蔵容器内に反射材を入れると中性子の数に時間変化が生じる。ゆえに、シミュレーションと実測データの間でその時間変化を比べれば、反射性能を決定できるようになる(貯蔵実験)。今年度後期には、容器内の超冷中性子の軌道をシミュレーションできるようになったため、それを用いて模擬実験解析を行い、反射率が99.98%の場合までなら+-0.01%の精度で反射率を決定できることが分かった。 [検出効率の補正] 貯蔵実験では超冷中性子数をモニターする必要があるが、使用している比例計数管の検出効率に速度依存性があることが判明した。そこで、速度依存性の原因であるデポジットエネルギー欠損の定量的な評価を行い、速度依存性を補正できるようにした。さらに、検出効率に位置依存性があることも判明したため、シミュレーションで位置依存性の原因である比例計数管の電場のアバランシェ増幅を明らかにすることを試みた。現時点で有限要素法を用いた電場計算ができる段階まで来ており、来年度初期に位置依存性の補正も行えるようになる見込みである。 [試験材の作製] 1.真空蒸着を用いてニッケルモリブデンの試験材を作製することを試みた。そのままでは融点の違いにより合金膜が得られないため、ニッケルとモリブデンを別々に飛ばす二元蒸着を用いた。2.プラズマイオン注入法を用いて重水素化ダイヤモンドライクカーボン(DLC)の試験材を作製することを試みた。成膜条件に応じて水素と膜密度は値を変え、それは反射性能に影響を与える。そこで、表面分析を用いて様々な試験材の反射性能と成膜条件の関係を調べた結果、高い全反射エネルギーを付与できる成膜条件を明らかにできた。今現在、この成膜条件の試験材の準備を進めている。また、調査の中で、基板の材質と表面酸化物の除去で水素を減らせる可能性があるという重要な知見を得た。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)