2016 Fiscal Year Annual Research Report
窒化物半導体多孔質ナノ構造の電気化学的形成と機能化による可視光応答光触媒への応用
Project/Area Number |
14J01371
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
熊崎 祐介 北海道大学, 情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | GaN / 多孔質構造 / 電気化学エッチング / 異方性エッチング / 可視光応答光触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、引き続きGaN多孔質ナノ構造の形状制御性の向上に向けた検討を行うとともに、GaN多孔質ナノ構造の構造特性と光電気化学特性の相関を系統的に調べ最適構造の模索を行った。主たる成果を以下に示す。 1. GaN多孔質ナノ構造の形状制御性の向上を目的として、電気化学エッチング条件の最適化を行った。直線的な孔が形成され深い孔の形成に有利な条件である電圧10 Vでは配列密度が上がらず、15 Vまで電圧を上げると配列密度は大きくなるものの直線的な孔の形成は困難であった。そこで、最初に15 Vで高密度のピットを形成し、その後10 Vでエッチングを進行させたところ、配列密度及び孔深さを共に高い値を持つ直線性多孔質ナノ構造の形成に成功した。この結果から、電気化学エッチングは他のプロセスでは実現できないほどの高密度、高アスペクト比のナノ構造形成が可能であることを見出した。 2. 昨年度確立した二段階異方性エッチングプロセスにより作製したGaN多孔質ナノ構造について光電気化学特性を調べた。孔径が30 nm以下では孔径の増加と共に外部量子効率が増加し、孔径30 nmで91 %と極めて高い値が達成された。しかし、孔径が30 nm以上になると外部量子効率が80 %程度まで減少した。これは孔径の増加と共に孔壁幅が減少し、空乏層の電界が減少することが原因と考えられた。そのため、高い変換効率の達成には孔壁幅を空乏層幅と一致するよう設計する必要があり、数ナノメートルオーダーで制御できる本手法の優位性を明らかにした。 3. 疑似太陽光による水分解とガスクロマトグラフィによる生成ガスの定量分析を行うことで光触媒特性を評価した。多孔質ナノ構造電極では無加工電極に比べて光電流値が増加し、さらに光電流量に対する水素ガス生成量の割合(ファラデー効率)が増加することがわかった。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)