2014 Fiscal Year Annual Research Report
電子顕微鏡解析を用いた抵抗変化型アナログメモリによる人工シナプス回路素子の研究
Project/Area Number |
14J01441
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村上 暢介 北海道大学, 情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2015-03-31
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Keywords | 抵抗変化型メモリ / ReRAM / 透過型電子顕微鏡 / TEM / Electromigration / その場観察 / ニューラルネットワーク / ナノギャップ |
Outline of Annual Research Achievements |
情報処理技術の更なる発展のため、半導体集積回路には高性能化と消費電力の低減という2つの困難な課題の両立が求められている。従来の手法(微細化)による解決が極めて難しい状況の中で、電流・電界による金属原子の移動現象は従来と異なる新たなデバイス形成・デバイス動作原理の1つになるものとして大きく注目されている。 金属原子移動現象は、抵抗変化型メモリ(ReRAM:Resistive Switching RAM)や、ナノメートルオーダーの極めて微細な金属電極形成の基盤となる現象である。しかし、これらの技術は微細領域におけるメカニズムの理解が十分ではなく、原子移動現象の詳細な理解に基づいた制御技術の確立が大きな課題となっている。そこで本研究では、微小領域における原子移動現象の理解と技術応用を目指し、透過型電子顕微鏡(以下、TEM)による「その場観察」を用いた原子移動現象の解析を行った。TEMによる微細構造観察と電気測定を同時に行える独自のシステムを構築し、原子移動による形状や構造の変化と電気伝導特性の変化を対応付けて考察することを可能とした。 研究の第一段階として、10nm程度の間隔を持つ微細金属電極の形成手法を確立し、第二段階として、それらを応用した平面構造型ReRAM形成と抵抗変化現象の解析を行った。TEM観察を行う為、極めて薄い平面型ReRAMを作成し、電圧印加による可逆な抵抗変化の測定に成功した。また、抵抗変化する瞬間をTEM観察することにより、電極間の絶縁層中で銅による導電パスが抵抗変化に応じて形成・消失する事を観察した。 本研究の結果は、原子移動による抵抗変化現象を全く新たな手法により解析し、応用しようとしたものである。本研究が確立した手法は従来に比べより詳細な解析が可能であり、ReRAMの実用化や原子移動現象の将来的な発展に向けた基盤技術となるものである。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)