2014 Fiscal Year Annual Research Report
子どもを対象とするソーシャルワークと家族への支援に関する研究
Project/Area Number |
14J01446
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 桃子 大阪大学, 人間科学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
|
Keywords | 子ども家庭福祉 / 社会的養護 / 国際情報交換 / デンマーク / 利用者参加 / ソーシャルワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、日本の子ども家庭福祉分野のサービスにおける、家族を支えるシステムと個別支援のプロセスのあり方を検討することを目的とし、デンマークと日本の子ども家庭福祉分野を対象として研究を行っている。本年度の研究実施状況は以下の通りである。 1.デンマークの社会的養護分野におけるソーシャルワーク実践を調査、成果発表:2014年9月にデンマークに滞在し、子ども家庭福祉分野のソーシャルワーカーにビネットを用いたインタビュー調査を行った。そこから社会的養護分野でソーシャルワーカーがどのように子どもと家族に対する支援を行うのか詳細なプロセスを明らかにし、デンマークで関係機関の連携と早期発見のためのシステムがいかに構築されているか、分析を進めている。上記のフィールド調査とデンマーク語の文献調査を用い、デンマークの社会的養護制度の概要、関係機関の役割、子どもの保護に係わるシステムと現状、里親委託や施設ケアの仕組みと現状などの項目ごとにまとめ、23カ国の国際比較プロジェクトのデンマーク部分を担当した。 2.デンマークの保育制度における保護者委員会の役割について調査、成果発表:デンマークの保育所における保護者委員会のを取り上げ、保護者と保育士を対象にインタビュー調査を行った(2014年9月)。社会的企業研究における共同生産概念とデンマークの利用者参加の仕組みの共通点について、日本の保育サービスとの比較を交えEMES NetworkのPhDサマースクールにて発表を行った(7月)。 3.日本でのインタビュー調査の実施:日本の複数箇所の児童相談所のケースワーカーを対象に、デンマーク調査と同じビネットを用いたインタビュー調査を行った。インタビューデータについては分析を行っており、2015年度に成果発表を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本とデンマークの子ども家庭福祉に関する制度面の比較を行うため、文献収集に加えフィールドワークを行った。2014年9月にデンマークを訪問し、ソーシャルワーカー養成大学、ロスキレ大学を訪れ、研究者と情報交換を行った。 インタビュー調査に関しては、9月にデンマークで社会的養護分野のソーシャルワーカー3人、保護者委員会のメンバー5人へのインタビューを実施した。また、7月から9月にかけて日本で児童相談所職員5人にインタビュー調査を実施した。保護者委員会の調査結果の一部については、2月に社会政策学会総合福祉部会で口頭発表を行った。 インタビュー調査と文献収集ともに進んでおり、研究はおおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
2014年度に行ったインタビュー調査の結果を分析するとともに、成果発表を行う。 6月の日本地域福祉学会(東北福祉大学)では社会的養護分野のソーシャルワークのプロセスに関して口頭発表を行う。また、保育サービスへの参加について、2014年度に行った保護者委員会へのインタビューデータを分析し、6月30日から7月3日にフィンランドで行われる国際学会(5th EMES International Research Conference)でポスター発表を行う。 これら学会発表へのフィードバックを受けて調査分析結果を見直し、投稿論文を執筆する予定である。
|
Research Products
(6 results)