2015 Fiscal Year Annual Research Report
高い眼内移行性を有する新規緑内障用薬剤ナノ粒子点眼薬の創製とその薬効評価
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14J01477
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
幾田 良和 東北大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | ナノ粒子点眼薬 / ドラッグデリバリーシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に、加水分解が進行しやすいTrimethyl lock (TML)基を化学修飾したTMLプロドラッグを見出したので、その眼圧下降作用を評価した。結果として、TMLプロドラッグナノ粒子は、眼圧下降作用を示し、上市薬と比較し、同程度の薬効を示すことが明らかとなった。また、濃度を比較すると、TMLプロドラッグナノ粒子点眼薬は、上市薬の1/5の点眼濃度で眼圧下降作用を示した。さらに、眼内移行量も同程度であることが分かった。以上の結果から、高い眼内移行性を示し、少量で優れた薬理効果を発揮するナノ粒子点眼薬の作製に成功した。 次に、TMLプロドラッグナノ粒子の加水分解制御を行った。ブリンゾラミドにTML基を化学修飾する位置を変えたIso-TMLプロドラッグ、および2つのアミン基にTML基を化学修飾した二置換体TMLプロドラッグをそれぞれ合成した。合成したTMLプロドラッグ類縁体のナノ粒子化を行ったところ、TMLプロドラッグと同様の分散液濃度において、Iso-TMLプロドラッグナノ粒子は約200 nmの、二置換体プロドラッグに関しては100 nm程度のナノ粒子が生成した。得られたナノ粒子の加水分解挙動およびブリンゾラミド放出挙動を評価したところ、どちらの挙動に関しても変化することが明らかとなった。また、それぞれのナノ粒子点眼薬の眼圧下降作用を評価したところ、ブリンゾラミドの放出速度が遅くなるにつれ、眼圧下降作用の発現時期が遅くなることが判明した。このことから、ブリンゾラミドの放出速度を制御することで、薬効の発現時期を制御可能であることを見出した。 本研究の成果は、当初の申請計画以上の進行度であり、眼疾患の新たな治療法を提案できる結果となった。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)