2014 Fiscal Year Annual Research Report
複数の軸対称偏光素子の組み合わせによる様々な光渦ビームの生成
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14J01485
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坂本 盛嗣 北海道大学, 工学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2015-03-31
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Keywords | 位相特異性 / 偏光特異性 / 応用光学・量子光工学 / 環状ビーム / 超高速レーザー / 偏光制御 / 光マニピュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
筆者が所属する研究グループでは、軸対称な偏光特性を有する光学素子(軸対称偏光素子:ASPE)を波面変換素子に用いた光渦生成法を過去に開発している。このASPEには、他の波面変換素子と比べて、(1)波面変換機能が広帯域性に優れる、(2)波面変換を偏光状態で制御可能、という特性がある。本研究の目的は、ASPEの持つこれらの特性を利用した新規な性質を持つ光波の発現とその応用である。本年度の成果は以下の2つである。
1.チャープパルスを利用したリング状光格子の超高速回転法の提案とその原理実証を行った。リング状光格子とは、互いに螺旋次数が異なる2つの光渦の干渉によって得られる干渉縞であり、光渦間の相対位相の制御によりパターンを連続回転できる。先に筆者らは、ASPEを利用してリング状光格子を発生させる手法を開発しており、本手法では電気光学変調器による位相制御で最短数ナノ秒の時間周期での光格子の回転を可能としていた。これに対して本年度はさらなる高速回転を目的に、チャープパルスを利用して相対位相を制御する方法を考案した。チャープパルスは自身のパルス波形内で瞬時周波数が時間に依存して変化するという特性を持つ。そのため、2つのチャープパルスに時間差を与えて重ねると、パルス間に数10GHzを超える莫大な周波数差が生じる。互いに異なる時間遅延の生じたチャープパルス対を発生させ、ASPEで別々の光渦へと同軸で変換することにより、瞬時周波数の差の速度で回転するリング状光格子が発生する。実際に本原理に基づいた光学系を構築し、数ピコ秒の時間周期で回転するリング状光格子の生成に成功した。
2.リング状光格子を微粒子操作へと応用するために、光トラップの実験に必要な顕微鏡システムを新たに構築し、基礎実験としてガウシアン光を用いたマイクロ粒子の光トラップを行った。本実験から応用に繋がる有益な知見を得た。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)