2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14J01511
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐藤 駿丞 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 第一原理計算 / 非線形光学 / 超短パルス / レーザー加工 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、高強度・超短パルス光と物質の相互作用によって起こる極限的な非線形・超高速現象を微視的に理解するための理論的解析を行い、特に次の二つの研究で成果があった。 (i)非熱的レーザー加工現象の初期過程の微視的解析 (ii)高強度・超短パルス光による物質中での非線形電子ダイナミクスの解析 まず、(i)は、レーザー損傷閾値を超えるような高強度・超短パルスレーザーによって起こる非熱的な物質の加工現象の初期過程を微視的に解析したものである。この研究では、結晶SiO2に対する高強度・超短パルスレーザーの照射シミュレーションを行うことで、レーザー加工現象の初期に起こるレーザーパルスから物質へのエネルギー移行を微視的に解析した。その結果、超短パルスレーザーによる非熱的レーザー加工現象では、その初期過程で生じた移行エネルギーの空間分布が極めて重要な役割を果たすことが示唆された。この成果は、現在、論文にまとめ投稿中である。 (ii)では、(i)とは異なり、非破壊領域における高強度・超短パルス光と物質の非線形な相互作用を研究した。この研究では、国外のいくつかの実験グループとの共同研究により、理論と実験の両面から、高強度な光の下で起こる、物質の光学特性の超高速変化、物質中の非線形分極の実時間ダイナミクス等を調べた。それぞれの共同研究において、我々の理論計算結果が実験により得られた結果をよく再現しており、現在、理論計算の側から現象の微視的理解を深めるために、さらなる研究に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験グループとの共同研究において、情報を交換しつつ議論を繰り返していった結果、実験結果と理論結果を直接比較し、現象の微視的理解について議論を深める段階にまで到達しているため、当初の予定どおりにおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、高強度・超短パルス光によって起こる物質中の超高速・非線形電子ダイナミクスに関する実験グループとの共同研究において、実験結果と我々の理論計算結果がよい一致を示すことが確認されている。今後は、理論計算の側から現象の微視的理解を深められるように研究を行っていく予定である。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Attosecond band-gap dynamics in silicon2014
Author(s)
Martin Schultze, Krupa Ramasesha, C.D. Pemmaraju, S.A. Sato, D. Whitmore, A. Gandman, James S. Prell, L. J. Borja, D. Prendergast, K. Yabana, Daniel M. Neumark, and Stephen R. Leone
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Journal Title
Science
Volume: 346
Pages: 1348-1352
DOI
Peer Reviewed
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