2016 Fiscal Year Annual Research Report
急速に成長する活動銀河核の探査と構造の理解による巨大ブラックホール形成史の究明
Project/Area Number |
14J01550
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川室 太希 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 活動銀河核 / 星潮汐破壊現象 / 超巨大ブラックホール / X 線観測衛星「すざく」 / 全天 X 線監視装置 MAXI |
Outline of Annual Research Achievements |
吸収によるバイアスが極めて小さい Swift/BAT 硬 X 線天体カタログから、「すざく」で観測された適度に吸収を受けた中高光度活動銀河核 (AGN; 水素柱密度 log N_H = 22-24 cm-2, X 線光度 log L_x > 42 erg s-1) 45 天体と低光度 (log L_x < 42 erg s-1) AGN 10 天体の X 線スペクトルの系統的な解析を行った。「すざく」による統計の良い広帯域 X 線スペクトルによりこれまで以上に X 線での性質に強い制限を与え、それをもとに統計的な議論を行った。結果、中高度で提唱されてきた AGN 構造の光度依存モデルは、低光度になると成り立たなくなり、新しいモードを示すことを発見した。 以上に加えて、全天 X 監視装置 MAXI を用いて、超巨大ブラックホール (SMBH) による星潮汐破壊現象 (TDE) の発生頻度の光度依存性 (光度関数) について観測的に初めて制限を与えた。TDE は、破壊された星が SMBH に降着するまさに SMBH の質量成長の現場であり、現在の宇宙に存在する SMBH 形成に寄与してきたと考えられる。そして、その定量的な議論には、光度関数を観測的に求めることが極めて重要である。そこで、MAXI による 37 ヶ月の全天探査により、突発的に明るくなる現象を系統的に検出し、TDE の観測的特徴を考慮することで、4 例の TDE 候補が MAXI で検出されることを確認した。得られた TDE サンプルを用いて、TDE の光度関数を最尤法により決定した。結果、赤方偏移 z < 1.5 において、TDE による SMBH 質量密度進化への寄与が AGN と比較して極めて小さいことを突き止めた。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)