2015 Fiscal Year Annual Research Report
サル視覚連合野における両眼立体視の神経基盤解明:2光子イメージング法による検討
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14J01649
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹内 遼介 大阪大学, 生命機能研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 霊長類大脳皮質 / 2光子顕微鏡 / 両眼視差 / 生体イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はサル初期視覚野 (V1) のニューロンの両眼刺激への応答について,二光子カルシウムイメージング法を用いて計測することに成功した. 計測平面内83個のニューロンのうち,76個のニューロンが異なる方向のグレーティング刺激に対しての選択性を示した.各細胞の最適方位および眼優位性インデックスを視覚応答から決定し,皮質上の位置との関連を解析した. 各細胞ペアの距離と,最適方位および眼優位性インデックスの値の差は優位な相関を示した.またその遷移方向の交差角度はほぼ直角であった (85°) . ニホンザルのV1にカルシウム感受性色素 Cal-520 AM を注入し,in vivo 二光子カルシウムイメージング法を適用した.実験では視覚刺激呈示モニタに表示したドリフトグレーティング刺激 (矩形波,時間周波数2 Hz,10方向) への視覚応答を計測した. これらの結果から,過去に内因性光学信号計測により得られていた,マクロなレベルの方位選択性マップと眼優位性マップの直交性が微細なスケールで正確に成り立っていることが示唆される. 両眼視差をつけた位相差グレーティングについても呈示して記録を行ったが,良好なS/Nのデータを記録することは現在のところ達成できていない.今後は研究課題の目標である両眼視差情報の伝達様式とともに,今回得られた結果をより詳しくしらべるためのデータについても蓄積していく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は課題であった霊長類のカルシウムイメージングに成功し,実験条件について大幅な改善がみられた.そのため方位選択性マップなどのデータ解析を行うことが出来た.
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Strategy for Future Research Activity |
現在の課題は一度に計測できる細胞数が比較的小さい範囲でのイメージングでしか良好なS/N比が得られていないことである.カルシウム感受性色素の注入法について改善することにより,一度により広範囲且つ多数神経細胞から記録を目指す.
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Research Products
(1 results)