2014 Fiscal Year Annual Research Report
パルス面傾斜法を用いた高出力・広帯域テラヘルツ波光源の開発
Project/Area Number |
14J01675
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田所 譲 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | テラヘルツ波 / パルス面傾斜法 / 高出力・広帯域 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はニオブ酸リチウム結晶を用いたパルス面傾斜法によって,高出力,広帯域テラヘルツ波光源を開発し,分光に応用するとともに,開発した光源を評価することを目的としている.平成26年度は,ニオブ酸リチウム結晶を用いたパルス面傾斜法による高出力,広帯域なテラヘルツ波光源の開発に取り組んだ.励起レーザーにはパルス幅35 fsの再生増幅型フェムト秒Ti:sapphireレーザーを用いた.励起レーザーが広帯域なスペクトルを有するため,レンズによってニオブ酸リチウム結晶に集光する際に収差が大きくなってしまう.この収差によってテラヘルツ波出力が低下することが予想されたため,シリンドリカルレンズ対を採用することで収差の影響を抑えた.また,ダウンチャープした励起フェムト秒パルスを使用することで,光学素子等による自己位相変調の影響を抑えることに成功した.これらの結果,平均出力0.6 mWの高出力テラヘルツ波の発生に成功した.また,そのときの変換効率は0.19%であった.開発したテラヘルツ波光源の分光応用に向けた第一歩として,リン化ガリウム結晶を用いた電気光学サンプリングに取り組み,テラヘルツ波の時間波形を計測した.時間波形計測によって,発生したテラヘルツ波は0.2-3 THzの広帯域なスペクトルを有することが確認された.また,テラヘルツ波形のピーク電場強度は約170 kV/cmであった.以上の結果から,出力0.6 mW,周波数帯域0.2-3 THzの高出力,広帯域なテラヘルツ波光源の開発に成功した.平成27年度は,開発した光源を用いて分光応用に取り組む予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的に基づき,パルス面傾斜法による高出力,広帯域なテラヘルツ波の発生に成功したため.
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Strategy for Future Research Activity |
開発したテラヘルツ波光源を分光応用し,光源の評価も同時に行っていく. また,テラヘルツ波の集光方法を改善することで,最大電場強度を向上させる.
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Research Products
(4 results)