2014 Fiscal Year Annual Research Report
低分子より誘導された多能性幹細胞由来骨軟骨形成細胞による骨軟骨複合体作製法の樹立
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14J01692
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菅家 康介 東京大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 多能性幹細胞 / 骨芽細胞 / 中胚葉 / Hhシグナル |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、多能性幹細胞から骨芽細胞誘導法の確立を中心に行ってきた。骨芽細胞特異的に発現するI型コラーゲンプロモーター断片の下流にGFPを組み込んだマウスES細胞 (Col1a1-GFP mESCs)を用い、誘導法の最適化を行ってきた結果、中胚葉分化を特異的に誘導するために、Wnt作動性低分子化合物 (CHIR99021; CHIR)及び神経分化を抑制するためHh阻害性低分子化合物 (Cyclopamine; Cyc)を用いたところ、中胚葉遺伝子であるT等は誘導開始5日で上昇し、多能性遺伝子であるNanog、神経外胚葉遺伝子であるSox1は抑えられた。中胚葉誘導後、Hh作動性化合物 (SAG)及びヘリオキサンチン誘導体 (TH)を用いたところ、投与14日後に、骨芽細胞関連遺伝子であるRunx2, Sp7, Col1a1, Ibspの著しい遺伝子発現がRT-qPCRにて確認された(P<0.05, vs 誘導前)。これをヒト人工多能性幹細胞 (hiPSCs)に応用した場合、骨芽細胞関連遺伝子であるRUNX2, SP7, COL1A1が上昇した (P<0.05, vs 誘導前)。多能性幹細胞から骨芽細胞を誘導する報告を本年報告している(Stem Cell Reports. 2:751-60, Cell Press, 2014)。 これに引き続く形で、現在、hiPSCsから骨芽細胞誘導法の改善及び、マウスES細胞を用いた骨芽細胞三次元培養条件のの最適化を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の内容の一部が、国際幹細胞学会(ISSCR)の学会誌であるStem Cell Reportsにて本年度報告されており、各種報道媒体にも取り上げられている。本年度は、①多能性幹細胞から骨芽細胞をより効率的な誘導、②誘導した骨芽細胞三次元培養法の確立を目指していた。当初、困難が予想されたものの、一定の成果を得ているため、期待通り研究が進展したと評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
申請した研究の達成には、①hiPSCsから骨芽細胞誘導法の改善、②骨芽細胞、軟骨細胞の三次元培養法の確立、③生体における骨軟骨再生の検証が必要である。①、②の研究計画は概ね順調に遂行されており、③に関しても①、②の研究項目が達成され次第、開始する予定である。
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Research Products
(3 results)