2014 Fiscal Year Annual Research Report
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14J01791
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| Research Institution | Osaka University |
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Principal Investigator |
森 裕紀 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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| Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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| Keywords | AdS_7/CFT_6対応 / M5ブレーン / Wilsonサーフェス |
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| Outline of Annual Research Achievements |
当該年度の主な成果として、5次元球面S5上のN=2超対称ゲージ理論の分配関数が局所化によってChern-Simons行列模型と呼ばれる有限次元積分で表されることを利用して、AdS_7/CFT_6対応の新たな証拠を確立した。具体的には重力理論としてAdS_7xS4上の11次元超重力理論を考え、AdS_7中のAdS_3xS3に巻き付く1枚のM5ブレーンと、AdS_7とS4それぞれに含まれるAdS_3xS3に巻き付く1枚のM5ブレーンの期待値を求めた。一方、ゲージ理論においてChern-Simons行列模型を用いてゲージ群の対称表現と反対称表現に属するWilsonループ演算子の期待値を計算し、それぞれがM5ブレーンそれぞれの期待値と一致することを示した。
CFT_6として考えるのは通常6次元(2,0)理論であるが、これをS1コンパクト化した際に6次元理論のKKモードと5次元理論のインスタントンを同一視すると5次元N=2理論に等価であるという仮説が提唱されている。さらに、6次元(2,0)理論にはWilsonサーフェス演算子と呼ばれる2次元に広がった非局所演算子が定義される。上の仮説に基づくとS1コンパクト化したWilsonサーフェス演算子は5次元N=2理論のWilsonループに対応しているはずである。つまり、先述の結果はM5ブレーンとWilsonサーフェスの一致を表しており、AdS_7/CFT_6対応の証拠である。
この結果の意義は、AdS_7/CFT_6対応を示す明確な証拠としては数少ないかつ新しい結果であり、AdS_7/CFT_6対応の存在を強く示していることである。そしてこの重要性は、6次元(2,0)理論と5次元N=2理論の間に成り立つ仮説が正しいと示唆しており、5次元N=2理論を調べることで6次元(2,0)理論の情報を知ることが出来るという事実である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究計画の1つであるAdS_7/CFT_6対応の検証に対して、新しい明確な証拠を示すことができ、その結果を学術雑誌に発表できたため。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後の方策として、まずWilsonループ(サーフェス)の表現を一般化することである。これは重力理論において泡状解と呼ばれるクラスで可能であると考えられており、今回の枠組みをそのクラスに適応してより一般的にAdS_7/CFT_6対応の検証を行う。また、5次元N=2理論が6次元(2,0)理論の解析に非常に重要であることが確立されてきたので、5次元N=2理論のより詳細な解析を行う。具体的には、背景時空の構造をより一般的に取る、相構造を調べる、6次元(2,0)理論を起源とする双対性を確立することである。
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