2014 Fiscal Year Annual Research Report
新エネルギー利用技術を目的とした磁気ハイパーコンダクターの研究開発
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14J01794
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
山崎 晴彦 同志社大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 磁性流体 / 非共沸 / 沸騰気泡 / CIP法 / Level set法 / 沸騰ボイド率 / 電磁誘導計測法 / 熱輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,磁気機能性流体の沸騰現象を計測し,そのメカニズムを解明することを目的として,磁気排除効果を用いた新しい熱輸送装置を提案することを目指している.本年度は,主に非一様磁場下における沸騰気泡の生成メカニズム,および,非一様磁場下における単孔より離脱する空気気泡の生成メカニズムについて実験的,解析的に調査を行った. (1)非一様磁場下での沸騰気泡の生成メカニズムの解明:沸騰気泡に働く力を解明するために,電磁誘導計測法を用いて,非共沸混合磁性流体の沸騰ボイド率計測を行った.その結果,沸騰気泡に非一様磁場を印加すると沸騰ボイド率は減少し,磁場強さを強くするにつれて,沸騰ボイド率の低下を電磁計測により確認した. (2)非一様磁場下における単孔より離脱する空気気泡の生成メカニズムの解明:基礎的な知見を得るため,単孔より離脱する空気気泡の計測を行った.その結果,非一様磁場と単孔より離脱する気泡径の大きさに一定の関係があり,静的な力学的釣合式を用いて,関係式を作成した.また,単孔より連続して離脱する離脱周期に関しても,非一様磁場との関係があることを計測より明らかにした. (3)数値解析を用いた磁場下における気泡挙動の解明:非一様磁場下での磁性流体の沸騰現象を可視化することを目的として,本年度では等温場における非一様磁場下での磁性流体中の気泡挙動について解析を行った.数値解析手法として移流項にCIP法を用いるVSIAM3法を導入し,気液界面の補完にはLevel Set法とVOF法を組み合わせたCLSVOF法を用いた.無重力場における一様磁場下での磁性流体中での気泡の数値解析を行った結果,空気と磁性流体の透磁率の違いによる磁束の曲折により気泡へ磁気体積力が働き,気泡が伸長および断裂する様子を確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題に対して,非共沸混合磁性流体における沸騰加熱面に対して,非一様磁場を印加することで,沸騰ボイド率の変化を明らかにし,また磁性流体中の単孔より離脱する気泡挙動に関して基礎的な知見を得ることが出来た.また,磁場下における沸騰気泡解明のための数値解析のベースコードとして,エネルギー方程式および磁場解析を含む,気液二相流解析コードを作成した.これらの成果は新しい熱輸送装置実現へ可能性を示すことから,おおむね順調に研究は進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
非共沸混合磁性流体の磁場下における沸騰現象を解明するために,沸騰単一気泡生成可能な実験装置を作成し,非一様磁場下での沸騰単一気泡を計測する.また,赤外線およびX線による磁性流体中の気泡の可視化に取り組む.また同時に,単孔より離脱する気泡について,単孔径や印加磁場の勾配を変更することで,液―気に対する磁性流体の表面張力および固体壁面への接触角度への磁場の影響を調査する.また,磁性流体中の沸騰気泡発生メカニズムを解明するために,CIP法を用いた磁場下での沸騰解析に取り組む.
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Research Products
(6 results)