2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14J02019
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
玉手 亮多 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | ブロック共重合体 / 化学振動反応 / ベシクル / コロイドソーム / 人工細胞 / 散逸構造 / 細胞培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、生体のように時空間的な機能性をもった新しい自己組織化材料の設計を目的として研究を遂行してきた。これまで、ブロック共重合体やゲル微粒子の示す自己集合と化学振動反応の生み出すリズム現象を協同させることで、細胞のように膜構造を自律的に変化させる「自励振動ベシクル」や「自励振動コロイドソーム」を報告してきた。 本年度は、より詳細に高分子構造と膜構造のダイナミクスの関係を明らかにするため、ジブロック共重合体のブロック比や分子量を系統的に変えたサンプルを創製し、平衡状態及び振動挙動中のベシクルサイズに与える影響を詳細検討した。その結果、親水鎖の長さに依存してベシクル形成メカニズムが異なり、振動中のベシクルサイズに大きな影響を与えることを明らかにした(Soft Matter, accepted.)。更に、高分子構造のみならず、化学振動反応の基質濃度や高分子溶液への塩添加によってもベシクル構造の形成崩壊ダイナミクスを制御できることも明らかにした(論文投稿準備中)。 またこれまでは主に細胞の示す動的な挙動に着想を得たバイオインスパイアード材料を研究してきたが、新たな研究の方向性として、時空間的な機能性を持った自己組織化材料を動的細胞培養材料に適用する試みも実施した。具体的には光二量化可能な官能基を持つABAトリブロック共重合体からなる動的ハイドロゲルを創製した。このゲルは光照射によって任意の時空間スケールで粘弾性を動的に変化でき、粘弾性の変化に起因した細胞増殖挙動の変化が起こることを示した(Chem. Mater. 2016)。また温度に依存したゾルゲル転移を示す分子認識接着可能なハイドロゲルについても報告した(Biomacromolecules 2017)。 このように、最終年度ではこれまで2年間の研究の先鋭化と共に、新たな時空間材料の萌芽も見出すことが出来た。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(16 results)